2009年03月27日

リヒャルト・シュトラウスづくし もしくは、インテルメッツォ

 レビューをアップした、アンドレ・プレヴィン指揮ウィーン・フィルの演奏によるツァラトゥストラはかく語りき&死と変容に始まって、デヴィッド・ジンマン指揮チューリヒ・トーンハレ管弦楽団の演奏によるツァラトゥストラ、ドン・ファン、ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら、ジェフリー・テイト指揮イギリス室内管弦楽団の演奏による『町人貴族』組曲&メタモルフォーゼン、アンドレ・プレヴィン指揮ウィーン・フィルとウィーン・フィル団員の演奏によるオーボエ協奏曲、ホルン協奏曲第1番、第2番、クラリネットとファゴットのための二重小協奏曲、そして今聴き始めたハインツ・ホリガー指揮ヨーロッパ室内管弦楽団管楽ソロイスツの演奏による管楽合奏のためのセレナードと、昨日から今日にかけてリヒャルト・シュトラウスの作品をずっと聴き続けている。
 まさしくリヒャルト・シュトラウスづくしといったところだが、正直、クラシック音楽を聴き始めたころは、彼の作品はなんとなく苦手だった。
 と、言うのも、なあんかオーケストラをばりばり鳴らして大仰というか、確かにオーケストレーションの凄さはわかるんだけど、それがどうしたと尋ねたくなるような感じで。
 だから、LP時代はリヒャルト・シュトラウスのレコードは一切買うことはせず、てか、CD時代になっても、ほとんどと言っていいほど彼の作品の録音には手を出すことはしなかった。
 そういえば、ウィレム・メンゲルベルクとアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏したブラームスの交響曲第4番にドン・ファンがカップリングされてたくらいじゃないかな。
 よりにもよって、メンゲルベルクとは!

 そんなアンチ、とまではいかないけれど、非リヒャルト・シュトラウス陣営に所属していた人間が、いやいやリヒャルト・シュトラウス馬鹿にはできんぞ素晴らしいぞ、と心を入れ換える契機となったのは、大学院に入ってしばらくしてから何気なく購入した、カール・ベーム指揮バイエルン放送交響楽団他の演奏による、リヒャルト・シュトラウスの最後の舞台作品『カプリッチョ』を聴いたことで、いやあ、これには参りましたね。
 だって、こんな巧みに巧まれた音楽をものするんだもの、一流どころか超一流の作曲家と慕って間違いない、リヒャルト・シュトラウスは。

 で、それからというもの、それまで苦手にしていた英雄の生涯やツァラトゥストラはかく語りきなんかも迷わず聴くようになったわけだけれど。
 まあそれには、ヘルベルト・フォン・カラヤンとベルリン・フィル流とは異なる、すっきり見通しのよいリヒャルト・シュトラウスの演奏が、1990年代以降の潮流となってきたことも大きいんじゃないのかなと思ったりなんかしたりして。
 いずれにしても、今では立派なリヒャルト・シュトラウシアンの一人となった中瀬宏之です。

 ちなみに、上述したディスクのほかに、ルチア・ポップが歌った歌曲集、ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮バイエルン放送交響楽団他の演奏による『インテルメッツォ』、ベルナルト・ハイティンク指揮バイエルン放送交響楽団他の演奏による『ダフネ』などが、僕のリヒャルト・シュトラウス愛聴盤。
 残念なのは、ルチア・ポップが『ばらの騎士』と『アラベラ』のセッション録音の全曲盤を遺さなかったこと。
 これは、惜しみてなお余りあり!
(ポップが歌ったバイエルン州立歌劇場の『アラベラ』の来日公演をNHKが録画していて、実際放映もされたはずだけど、あれは発売されないのかな?)
posted by figarok492na at 15:00| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック