☆モーツァルト:ディヴェルティメント第15番、第7番
シャーンドル・ヴェーグ指揮CAMS
1988年、デジタル録音
<CAPRICCIO>10 271
ただより高いものはない。
と、言うけれど、経済状況厳しい折、やっぱりただより嬉しいものはない!
例えば、ドラッグストアでもってけドロボー、じゃないもってってお客さん的に置かれている試供品の栄養ドリンク、ちっちゃなねり歯磨きエトセトラエトセトラ。
例えば、書店のレジ下に山積みされている出版社発行の小雑誌や、ぴあステーションのカウンター脇に山積みにされている『ぶらあぼ』。
そして、京都は寺町通にある中古CDショップ、Avisで、傷が入っているからエラーが出るかもしれないので「0円」のシールが貼ってあるクラシック音楽の中古のCD。
で、Avisではこれまでも、カラヤン&ベルリン・フィルの演奏したリヒャルト・シュトラウスのツァラトゥストラはかく語りきとドン・ファン、シャーンドル・ヴェーグ&カメラータ・アカデミカ・デス・モーツァルテウムス・ザルツブルク(以下、CAMSと略)の演奏したモーツァルトのカッサシオン第1番と第2番をありがたくちょうだいしてきたけれど、今回取り上げるCDはその第三弾で、前回と同じくシャーンドル・ヴェーグの指揮した一連のモーツァルト・シリーズのこちらは第5集、ディヴェルティメント第15番と第7番が収められた一枚である。
(ちなみに、これまでの2枚同様、今回のCDにエラーは起こらず全く無問題=モーマンタイ。ありがとうございます!)
すでにシャーンドル・ヴェーグ&CAMSに関しては、以前のCDレビューである程度詳しく触れているので、ここでは省略。
前回のCDではアンサンブルの粗さを云々かんぬんしたが、弦楽器とホルンを中心にした編成の作品ということもあってか、今回はその点でそれほど不満を感じることはなかった。
いわゆるオーソドックスな解釈のモーツァルトで、特に第15番のアダージョなどではロマンティックで濃密な雰囲気がたっぷりとかもし出されている。
ただし、重ったるくてべとべとの演奏かというとそうではなくて、硬からず柔らかからずの、バランスが巧くとれた演奏になっていると思う。
また、音楽的に均質というか、音楽的なまとまりのよくとれたアンサンブルそのものの魅力をたっぷりと愉しむことのできる演奏に仕上がっているとも思う。
ピリオド・スタイルのモーツァルト演奏でないと物足りないという方以外には、安心してお薦めできる一枚だ。
聴いていて、全く疲れないモーツァルトですよ。
それにしても、やっぱりただより嬉しいものはない!
2009年03月06日
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