2009年01月10日

『プレゼント』を読み終えて

 若竹七海の『プレゼント』<中公新書>を読了した。
 昨日の夕方買って読み始めて、今夜には読み終えたのだから、あっという間というほどではないが、けっこう速いスピードで読み進めてしまったということになる。
 一つには、若竹さんの筆致が非常に読みやすいということもあるだろうし、作品そのものの面白さがそうさせたと評することもできる。
 若竹さんの諸作品と同様、ミステリーとしての仕掛けがきっちりはかられている点ももちろん重要だけれど、のちの連作(『依頼人は死んだ』、『悪いうさぎ』<ともに、文春文庫>。実は、こちらのほうを僕は先に読んでしまっている)につながる葉村晶の「活躍」も嬉しい。
 ただ、それより何より僕は、若竹さんの人間観察の妙というか、「無意識の悪意」の描きっぷりに強く魅かれるのである。
 そして、それは臆面のなさへの嫌悪感、拒否感のはっきりとした表われと言い換えてもいいだろう。
 若竹七海という作家がこの国で「大」作家とはならない、全部ではないけれど、大きな理由は、そこにこそあるのだと僕は考える。
posted by figarok492na at 21:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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