2008年01月21日

意地悪なメタ・ロマンス? もしくは、天使のような悪魔のような…

 京都シネマまで、フランソワ・オゾン監督の新作『エンジェル』(2007年、ベルギー=イギリス=フランス)を観に行って来た。

 三つ子の魂百まで、じゃないが、かつて高校時代に白居易白楽天の『長恨歌』を政治批判の物語と論じて(少なからぬ女性陣に白眼視されて)以来、時として物語の裏を読もう裏を読もうとしてきた人間にとっては、この『エンジェル』は、まさしくタイトル通り、意地の悪いメタ・ロマンスということになる。

 現在公開中ということもあって、くどくどくだくだ作品の概要に触れることはしないけれど、作品の基本は「ラブロマンス」調(てか、ハーレークイン調)。
 ロモーラ・ガライ演じるヒロインの波乱に富んだ生涯が、華麗な衣裳や甘やかでロマンチックな音楽とともに、エレガンスに劇的に描かれていて、全篇観飽きることがない。

 でもね、ここまでべただと「ムッシュ・オゾン、あなたはほんとに本気なの?」と疑ってかかりたくもなる。
 そう、観ようによってはこの作品、どこまでもどこまでも裏読み深読みできる造りにもなっているのだ。
 ほら、あのシーンのあの演技、ほらこのシーンのこの映像…。
 まあ、こんな物言いをしてみたくなるのは、打算的で、本当の恋を知らない者だからこそなんだろうね。
(と、ここはあえて高校時代の一文風にしめてみる)

 物語にどっぷりつかって観るならば、サブタイトルの「天使のような悪魔のような…」が僕の率直な印象。
 何せ、主人公の名前はエンジェル・デヴェレルなんだもの!

 役者陣では、当然ロモーラ・ガライを挙げるべきだろうし、実際、単純に「美しい」だけではかたづかない熱の入った演技っぷりには脱帽物なのだが、それでも僕はシャーロット・ランプリングに軍配をあげたくなる。
 彼女の自然なたたずまいは、やっぱり凄いや。

 その他、ヒロインの恋人役から脇にいたるまで、十分十二分に目配りの届いたキャスティングだと思った。

 一人の女性の人生を描き切った作品という意味でも、言い換えれば、どっぷりつかりたいという方には大推薦の一本。
 ただし、「なみ」の裏読み派にはどうかなあ。
 もしかしたら、肩透かしを喰らうかも。
 ん、それってやっぱり意地悪じゃん!!


 *追記
 簡単に言うと、表面的ストーリー展開的には、伏線の張り方から役者陣の演技等々、本当によく出来たCX(トーカイテレビ制作)のお昼のドラマ、もしくは韓流ドラマ風。
 でも、本当にそれだけなのかどうなのかは観てのお愉しみ。
posted by figarok492na at 21:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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