2008年01月14日

本当に掘り出し物  川島雄三の『洲崎パラダイス 赤信号』


 京都みなみ会館まで、川島雄三レトロスペクティヴ中の一本、『洲崎パラダイス 赤信号』(1956年 日活)を観に行って来た。

 『洲崎パラダイス 赤信号』は、芝木好子の『洲崎パラダイス』を川島監督が映画化した作品で、僅か1時間20分ほどの尺の間に、思うにまかせない男と女の仲や、女の悲哀、男の弱さ、情けなさ、庶民の貧しさなどが巧みに描き込まれていて、まさしく佳作佳品と呼ぶに相応しい一本に仕上がっている。
 深川、洲崎あたりの切り取り方も見事と呼ぶ他ない。

 役者陣では、切るに切れないくされ縁の女と男を演じた新珠三千代と三橋達也の他、飲み屋のおばさんの轟夕起子(『江戸の悪太郎』の彼女がこんな風になるなんて…。ああ)、洒脱極まりない河津清三郎、清純可憐な芦川いづみ、植村謙二郎、そして「やってるやってる」小沢昭一が印象に残る。

 いずれにしても、邦画好きにはぜひともお薦めしたい作品だ。


 なお、この作品に関しては、小林信彦の『コラムの冒険』<新潮文庫>の『51 掘り出し物 − 川島雄三の「洲崎パラダイス・赤信号」 −』が詳しい。
(冒頭のシーンですぐに感じた、イタリア映画との関連性についても、小林さんはきちんと触れている)
posted by figarok492na at 22:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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