2007年09月27日

浪華悲歌

 京都文化博物館まで、溝口健二監督の『浪華悲歌』(1936年、第一映画)を観に行って来た。

 『浪華悲歌』は、ほぼ同じスタッフ及びキャストによる『祇園の姉妹』と対になる一本で(こちらのほうが先に撮影された)、貧しさとしがらみの中で、だからこそしたたかに強く生きていかなければならない女性の姿を、時にユーモラスな場面を交えながら描いた作品である。
 フィルムの状態が悪いため、正直台詞がほとんど聴きとれない部分もあったりはしたが、巧みなストーリー展開や主人公を演じる山田五十鈴の優れた演技もあって、個人的には観て損のない作品だと思う。
(当時の大阪のモダンな「風俗」を識ることができる点も、この『浪華悲歌』の観どころの一つかもしれない。それと、人形浄瑠璃が「効果的」に利用されている場面は、溝口健二の「好み」というか「くせ」がよく表れているのではないか? どこか谷崎っぽいなと思ったけれど)

 役者陣では、何と言っても山田五十鈴を挙げるべきだろう。
 『祇園の姉妹』ともども、ベルさんの演技は本当に巧い。
 他に、梅村蓉子、志我廼家弁慶、進藤英太郎、大倉千代子、原健策、田村邦男、そして志村喬(若い!)と充実した演技者が揃っていた。
posted by figarok492na at 16:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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