2007年09月21日

キューポラのある街

 京都文化博物館まで、浦山桐郎監督の『キューポラのある街』(1962年、日活)を観に行って来た。

 『キューポラのある街』は、数年前に亡くなった早船ちよの同名の原作による、浦山監督自身とその師でもある今村昌平の共同脚本を映画化した作品である。
 時に子供たちが口にする言葉が「先鋭的」に聞こえる場面があったり、物語のところどころに「歴史的限界」を感じたり、さらには在日朝鮮人の「帰還」には複雑な心境になったりもしたが、一方で、貧困の中でもめげずに生きていこうとする主人公たちの姿など、浦山監督の心情がストレートに表現されていて、個人的には強く心を動かされた。
 また、「食卓」のシーンを俯瞰で映すなど、『にあんちゃん』との共通点を識ることができたのも、実に興味深かった。

 役者陣では、まずもって吉永小百合を挙げるべきだろう。
 彼女には申し訳ないけれど、やっぱりこの作品こそが、彼女のベストではないだろうか?
 そして、彼女の弟役を演じた市川好郎(惜しくも早世してしまった)、その友人役の森坂秀樹の自然で嫌みのない演技も好感が持てる。
 他に、役柄によくあった東野英治郎(「だぼはぜの子はだぼはぜだあ!」)、浜田光夫(この頃の彼は本当にいいな。今だって悪くないけど)、加藤武、北林谷栄、杉山とく子、菅井きん、浜村純、殿山泰司、小沢昭一、吉行和子、下元勉らが脇を固めている。

 『にあんちゃん』と同じく、今だからこそ観て欲しい一本。
 大推薦だ。
posted by figarok492na at 18:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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