2007年07月28日

江戸の悪太郎

 若き日の轟夕起子の姿が観たくって、京都文化博物館までマキノ正博監督の『江戸の悪太郎』(1939年、日活太秦)を観に行って来た。

 比佐芳武原作・脚本による『江戸の悪太郎』は、ハリウッド映画の影響がまず間違いない、轟夕起子の「雪中の脱走」という物語の皮切りから、マキノ正博の演出が冴えている。
 もちろん、「時代の違い」その他からくる突っ込みどころは多々あるものの、基本的には伏線の張り具合、ストーリーの重なり具合もよく、笑わせどころ、泣かせどころ、怒らせどころ、はらはらさせどころ、すかっとさせどころのしっかり盛り込まれた面白い作品に仕上がっていると思う。

 で、(スクリーンの中では)いつもの如く謹厳実直な嵐寛寿郎が主役といえば主役なのだが、個人的には、誰が何と言おうと轟夕起子を挙げたいなあ。
 まずもって「美しく」って「きれい」だし、男の子姿も妙にはまっているもの。
 かてて加えて、宝塚でならした歌声が聴けたのも嬉しい。
(音質がひどいので、相当聴きとり辛いとはいえ)
 他に、星玲子(ぞくっとするいろっぽさの持ち主)、志村喬、原健作、香川良介、瀬川路三郎、市川小文治、宗春太郎が出演していた。

 フィルムの状態が悪いため難は多々あるが、時代劇好き以外の方にもひろくお薦めしたい一作。


 *追記
 終盤、嵐寛を救うために長屋の連中が悪い侍たちと渡り合うなど、「傾向主義」の残り香が結構したことを付け加えておきたい。
 まあ、上記の「民衆のパワー」の表現が、主義主張や理屈から来たものでないからこそ、愉しいんだろうけど。
posted by figarok492na at 18:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック