2007年05月24日

三婆

 京都文化博物館まで、中村登監督の『三婆』(1974年、東京映画=東宝)を観に行って来た。

 『三婆』は、有吉佐和子の原作(を舞台化)したものをもとにして、井手俊郎が脚本化した作品で、一つ屋根の下に生活することになった三人の老女のやりとり、かけひきを、時にグロテスクでオーバーなまでの笑いを加えつつ、巧みに描いた重喜劇だ。
 もちろん、有吉佐和子らしい重いメッセージがこめられていることは、最後まで観れば、わかりすぎるほどわかるだろう。
(テレビ・ドラマっぽい画像自体はあくまでも東京映画らしいのだが、中村登の監督ということや、山本直純の音楽ということもあって、どこか松竹大船調、てか山田洋次風なウェットな雰囲気が漂っている)

 役者陣では、何と言っても「三婆」の、三益愛子、田中絹代、木暮実千代の競演と、有島一郎の飄々としながらきちんと「やっている」演技が強く印象に残る。
 また、吉田日出子(若い!)や名古屋章も彼女彼「らしい」演技を披露しているし、テレビっぽくはあるが、長沢純や小鹿ミキ(!)の出演も個人的には嬉しかった。

 好みはわかれるかもしれないが、田中絹代が自分の若き日の写真を見つめながら往時を振り返るシーンだけでも一見の価値はあるだろう。
 できれば、舞台のほうも観てみたい。

 *追記
 昨日(5月29日)の晩、寝床の中で、山本直純作曲のこの『三婆』のテーマ音楽ってどっかで聴いたようなことがあるんだよなあ、どっから「持って」きたのかなあ、と考えていて、ようやく思いついた。
 ハイドンの交響曲第45番「告別」の第1楽章を遅めにして少しいじくったら、この『三婆』のテーマ音楽に行きつくんじゃないのか!
 まあ、いつもの「ラッパ」だけれど。
(もちろん、山本直純が「告別」シンフォニーを知らないはずがない、はずだ)
posted by figarok492na at 18:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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