2007年03月23日

黒い十人の女

 予定通り、京都文化博物館まで市川崑監督の『黒い十人の女』を観に行く。

 『黒い十人の女』は、ちょっと前に、ピチカート何とかの小西何とかという人が高く評価して評判になった作品(おまけにリメイクまでされた)だけに、その内容についてここでとやかく語ることはしない。
 確かにスタイリッシュでスノビッシュな雰囲気を持った作品で、テレビドラマ的なスタイルでテレビ界を皮肉ったり、単に当時の「現代社会批判」に留まらず、フェミニズムやジェンダー論を先取りするような「ひっかかり」さえ有している点には、一見の価値はあると思う。
 ただ、これが市川崑や和田夏十のベストかと問われると、いやそりゃ違うだろうと口にしたくなるのも、残念ながら事実だ。
 少なくとも、『プーサン』や『ぼんち』、『破戒』、『日本橋』、『犬神家の一族』、『細雪』、といった一連の市川崑の作品と「通底」するものを認めることなしに、ただただこの『黒い十人の女』ばかりをありがたがることは、僕にはできない。

 役者陣では、山本富士子、岸恵子、宮城まり子、岸田今日子、中村玉緒ら十人の女たちとともに、先頃亡くなった船越英二も強く印象に残る。
(この人の持つ「軽さ」は、やはり魅力だ)
 他に、巧いという他ない永井智雄(「巧すぎる」とさえ思うほど)、後年自殺した二代目大辻伺郎、浜村純、森山加代子、早川雄三、三角八郎らが出演している。

 で、ここからは余談だけど、若き日の伊丹一三(後の十三)が松田優作に雰囲気がそっくりだったのにびっくりした。
 『家族ゲーム』は、そういう部分も意識したキャスティング? とさえ思ったほどだ。
(『あげまん』のある「行為」が、この映画のあるシーンにヒントを得たとまで考えるのは、考え過ぎだろうな)

 それと、ハナ肇とクレージーキャッツも出演しているが、これはいわゆる「にぎやかし」である。
posted by figarok492na at 22:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック