2007年02月11日

いとはん物語

 京都文化博物館まで、伊藤大輔監督の『いとはん物語』(1957年、大映東京)を観に行って来た。

 『いとはん物語』は、北条秀司の舞踊舞台劇『いとはん』を映画化した作品で(脚色は、成澤昌茂)、プログラムの解説によると、伊藤監督自身が原作の舞台に接して「即座に映画化を決めた」ということらしい。
(人の「真心」に焦点をあてた物語の展開は、確かに伊藤監督の好みにぴったり添っているように思う)

 大阪船場の老舗を舞台に、京マチ子演じる「醜女」のいとはんを中心とした登場人物間の葛藤が、一時間半弱の中でシンプルにまとめられていて、個人的には好感の持てる作品だった。
 また、映画ならではの趣向も盛り込まれていて、なおかつそれが物語的に必然性のあるものであり、そうした点でも充分納得がいった。

 役者陣では、当然京マチ子の演技の幅の広さを挙げるべきで、彼女の日本映画界において果たした役割を再確認することができた。
 他に、後年の仁侠映画を予感させる鶴田浩二、『巨人と玩具』とは正反対の役柄を演じた小野道子、東山千栄子、浦辺粂子、加東大介、矢島ひろ子、市川和子、丸山修らも印象に残る。

 「傑作」とは呼べないかもしれないけれど、「佳品」という言葉で評したくなるような作品。
 機会があれば一見をお薦めしたい。
posted by figarok492na at 17:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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