2006年10月20日

ぼんち

 二日続けて、京都文化博物館まで映画を観に行って来た。
 今日観たのは、市川崑監督の『ぼんち』(1960年、大映京都)である。

 『ぼんち』は、山崎豊子の同名の小説を映画化した作品で、市川雷蔵演じる船場の若旦那と彼をとりまく女たちの姿が、時にグロテスクなほどでさえあるユーモアを交えながら、活写されている。
 船場の伝統的な因習など、一つ間違うとただただ重たくて辛いだけの話になりかねないが、それをするりと巧みにかわすあたり、さすがは市川崑であり、和田夏十(脚本)であると思う。
(もちろん、原作の「キモ」の部分 − それを女の強さや男の弱さという言葉に換言すると陳腐でしかない − が充分汲み取られていることも確かなことだけれど)

 役者陣では、まずもって市川雷蔵の飄々とした演技が強く印象に残るが(村松友視ならずとも、「巧い」と感嘆せざるをえまい)、毛利菊枝、山田五十鈴、中村玉緒、若尾文子、草笛光子、越路吹雪、京マチ子、倉田マユミ、北林谷栄ら女優たちの「層の厚さ」も見事と言う他ない。

 残念ながら、大阪の空襲のシーンには「限界」を感じてしまったものの、映像的にも見どころがいっぱいで、個人的にはとても愉しむことができた。
 日曜日にも上映が予定されているので、興味がお有りの方には、ぜひともご覧いただきたい。
posted by figarok492na at 16:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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