2006年07月19日

日本沈没

 TOHOシネマズ二条まで、『日本沈没』(樋口真嗣監督、2006年/「日本沈没」制作委員会作品)を観に行って来た。

 正直言って、友だちから誘われなければ、九分九厘観に行くことはなかっただろうと思う。
 と、言うのも、まずもって「何で今さら『日本沈没』をリメイクすんねん」という感じが非常に強かったし、そもそも、大好きな中村伸郎が出演している以外は、1973年の作品にもたいして思い入れがなかったからだ。
(さらに付け加えれば、筒井康隆ほどには、小松左京という作家に対しての思い入れがある訳ではない)
 それに、主役級の顔触れにも、それほど期待が持てるとは思えないことも大きかった。

 たぶん、そうしたマイナス・イメージが強かったこともあってだろうが、観ての感想は、制作陣役者陣とも健闘していて、それなりに観どころのある作品に仕上がっているのでは、というものだった。

 もちろん、突っ込みどころは満載である。
 公開中なので、詳細については触れないが、2時間15分(どう見積もっても、2時間半は必要な作品だろう)という尺に合わせるために、本来ならば、しっかり描き込まれるべき場面がすっぽり抜けていたり、逆に、冗長だと思われるシーンが何ケ所も見受けられた。
 主人公二人のエピソードはご都合主義の際たるものだし、ハリウッド映画の「あの」作品や、草ナギ君だからと言う訳ではないが、韓国映画との安直な「関係」を指摘することもできるだろうと思った。
(それと、僕が若干気になったのは、作品のトーンの一部が、どこか「戦時中」の邦画作品の雰囲気と重なり合ったところだ。もちろん、「戦時中」と言っても、戦意高揚のそれではなく、詠嘆悲嘆調のそれなのだけれど)

 だが、一方で、様々な制約(それは、防衛庁−自衛隊から協力を得るということも含めて)の中で、登場人物の言動から、どうしてこの期に及んで『日本沈没』なのか、という「ポーズ」ではないメッセージが伝わってきたことも事実である。
 少なくとも、CGの威力を見せつけることがまずあっての作品ではないということは、僕にはよく理解ができた。

 役者陣では、まず大地真央の凛々しさが強く印象に残る。
 総理大臣役の石坂浩二も、いつもの如く達者だ。
(小泉風のメイクが気になっていたが、その意味は充分にわかった。このメイクは「必然」だったのである)
 そして、吉田日出子、六平直政、大倉孝二ら「下町グループ」をはじめ、長山藍子や和久井映見、柄本明、國村隼、遠藤憲一、山田辰夫といった脇を固める人たちの演技が素晴らしい。
(個人的には、加藤武と北村和夫の登場がとても嬉しい。僅かな出番ではあるけれど、この二人の演技は絶対に観逃さないで欲しい)
 あと、相当「甘い」が、草ナギ剛と柴咲コウもよく頑張っていたと思う。

 「えっ、こんな作品くずやんか!」と立腹する映画ファンの方が多数いることも見越した上で、多くの方にお薦めしたい作品だ。
 少なくとも、この『日本沈没』は映画館で白黒をつけてもらいたい。

 ☆追記
 前作へのオマージュとして、ある俳優がちらと出演しているのだが、これにはあえて触れない。
 観てのお楽しみである。
posted by figarok492na at 14:10| Comment(8) | TrackBack(1) | 映画記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私は今日観てきました。
Posted by tsuyorin at 2006年07月19日 22:35
 こんばんは。
 感想のほう、楽しみにしております。
Posted by figaro at 2006年07月20日 01:05
書きにくいなぁ。笑
Posted by tsuyorin at 2006年07月20日 14:43
 こんにちは。
 早速、拝読いたしました!
Posted by figaro at 2006年07月20日 16:56
おひさです。
あの、「イカレスラー」「コアラ課長」の監督が「日本以外全部沈没」を撮ってるらしいというニュースを読んで、俄然そちらの方が観たいような、しかしそれだったらCGでもなんでも良いから、往年の大スター大物政治家その他を本人出して欲しいような、そんな気がしています。

最近小説読んでないなー、というか、読み返しても書くほど公的なインパクトのある小説を読んでないなー。松子って読まれました?
Posted by para_shootin'! at 2006年07月21日 00:39
 こんにちは。
 コメント、ありがとうございます!
 おひさしぶりですね、お元気ですか?

 >日本以外全部沈没
 そうそう、日本以外全部沈没を映画化するんですよね。
 今頃になって、『日本沈没』にぶつけてきたのかと気づきました(遅)

 >スター大物政治家
 時代は、「現在」なのでしょうか?
 もしそうなら、ブッシュの●●息子や金正日のそっくりさんが登場するような気がしないでもないですが。

 >松子
 映画のレビュー、読みましたよ。
 なかなか傑作みたいですね。
 気にはなっているのですが、まだ観に行けてません。
 で、原作も読んでないんですね。
 原作が出版された時、題名に「食傷」してしまったもので。
 今度、機会を見つけて読んでみたいと思います。
Posted by figaro at 2006年07月21日 13:12
筒井さんも出演してるんじゃなかったですかね?<日本以外。
Posted by say_say_say/ at 2006年07月23日 13:13
 こんにちは。
 コメント、ありがとうございます。

 まだはっきりと調べてはいませんが、筒井康隆に加えて小松左京も出演しているようです。
 しかも、あの藤岡弘も出演とか!
 これは絶対に見逃せませんね(笑)
Posted by figaro at 2006年07月23日 13:39
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Excerpt: 製作年度:2006年上映時間:135分監督:樋口真嗣出演:草なぎ剛 、柴咲コウ 、豊川悦司 、大地真央 、及川光博オススメ度:★★★☆☆ストーリー:ある深海調査に参加した潜水艇《わだつみ6500》のパ..
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Tracked: 2006-07-20 00:45