2005年11月16日

CDレビュー

 昨日購入した、ジョヴァンニ・アントニーニ指揮バーゼル室内管弦楽団の演奏によるベートーヴェンの交響曲第1番と第2番のSACD<エームス・レーベル>を聴く。

 アントニーニは、イタリアのピリオド楽器アンサンブル『イル・ジャルディーノ・アルモニコ』のリーダーとして知られているが、この録音でもピリオド奏法が援用されている他、弦楽器にはガット弦と古典的な弓を、管楽器の一部とティンパニにはピリオド楽器を使用するなど、本来モダン楽器のオーケストラであるバーゼル室内管弦楽団の「改造」が大幅にはかられている。
 そしてその成果は、ことに第1番の終楽章や第2番全曲に表れていると思う。
 ただ、作品の持つイタリア的性格云々という言葉は、アントニーニの個性を発揮するための、ある種の能書きのように思えなくもない。
 とはいえ、まるでイル・ジャルディーノ・アルモニコが演奏するヴィヴァルディか何かのように鳴り響くこのSACDのベートーヴェンが、耳に快活に聴こえることは確かな事実であって、しんねりむっつりとしたベートーヴェンなぞごめんこうむる、という方には、ぜひともお薦めしたい一枚ではある。
 演奏同様、録音も非常にクリア。
posted by figarok492na at 14:18| Comment(0) | TrackBack(0) | クラシック豆情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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