昨日購入したCDを聴く。
まずは、マキシム・ヴェンゲーロフの独奏、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ指揮ロンドン交響楽団による、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲他<EMIレーベル>から。
冒頭のティンパニの打音が聴こえた時から、ありゃりゃと思ってしまった。
ロストロポーヴィチ指揮のオーケストラがあまりにも重くあまりにも遅いのである。
(ある程度、予想はしていたけれど)
確かに、当方が、ヴェラ・ベスの独奏、ブルーノ・ヴァイル指揮ターフェルムジークというピリオド楽器による速いテンポの演奏<ソニー・クラシカル・レーベル>に馴染んでしまっているということも大きいのだろうが、このCDの「ゆったり感」はどうにも尋常ではない。
(ベス盤が第1楽章を19分56秒で演奏しているのに対し、ヴェンゲーロフ盤は同じ楽章に27分20秒もかけている=CDの表示から)
もちろん、音をじっくりたっぷりと歌わせるという意図はわからないでもないのだけれど、この遅さは、ソリストであるヴェンゲーロフの感性に起因するものというよりも、ロストロポーヴィチの年齢的身体的状況に原因があるのでは、と疑ってしまったことも事実なのだ。
第2楽章の甘美で抒情的な表現や、両端楽章のカデンツァなど、ヴェンゲーロフの特質美質が表れた演奏ではあろうが、例えば、指揮者がアントニオ・パッパーノであれば、もっと若々しくて鮮烈な響きのする録音になっていたのではないだろうか。
併録のロマンス第1番、第2番もゆったりとした演奏だが、こちらは曲調もあってか、それほど遅さを気にせずにすんだ。
2005年10月16日
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