昨日購入した、別宮貞雄の交響曲第1番と第2番のCDを聴く。
ナクソス・レーベルの日本作曲家選輯の一枚で、演奏は、湯浅卓雄指揮アイルランド国立交響楽団による。
別宮貞雄の交響曲第1番と第2番を聴いたのは、今回が初めてだったが、基本的には耳馴染みのよい、非常に親しみやすい音楽だと思う。
第1番が、日本風のウェットな旋律をフランス仕込みの技巧でスタイリッシュに仕上げた作品とすれば(第2楽章のアレグロ・ヴィヴァーチェや、第4楽章の激しいマーチがあるとはいえ)、第2番は、よりリズミカルな表情の強い作品と評することができるだろう。
また、これは別宮貞雄一人に限らないが、現代の交響曲(というより、各種楽曲)が、映像− 映画やテレビ −への伴奏音楽と密接な関係にあることを感じることもできた。
(これは、古典派の交響曲が歌劇や舞台伴奏音楽と密接な関係にあることと、共通するかもしれない)
録音(会場)のせいもあってか、少しくぐもった感じはしないでもないが、湯浅卓雄の適確な指揮により、アイルランド国立交響楽団はバランスのとれた表現を行っているのではないか。
片山杜秀の解説は、いつもの如く綿密かつ真摯な内容で、全く隙がない。
オーケストラ音楽好きの方をはじめ、多くの方々にぜひともお薦めしたいCDである。
2005年09月12日
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