昨日購入したCD、ラドゥ・ルプーの弾くシューマンのピアノ作品集<デッカ・レーベル>を聴く。
収録されているのは、フモレスケ、子供の情景、クライスレリアーナの3曲だ。
ルプーといえば、抒情的な音楽性の持ち主として知られているが、このCDでもそうした彼の特性が十二分に発揮されていると思う。
まず、一つ一つの音が、角がとれて滑らかで、聴いていて疲れることがない。
また、テンポ設定をはじめとした楽曲解釈の面でも、歌唱的というか、無理から音を弾き散らかすのではなく、曲の構成を大切にしながら、旋律を丁寧に歌わせるような演奏が行われている。
ただし、ルプーの演奏がただただウェットに傾いているのではないことは、フモレスケやクライスレリアーナにおけるドラマティックな表現*や、逆に子供の情景のトロイメライにおける抑制の効いた表現を聴けば、明らかだろう。
(*それが、濁って聴こえないところがまた、ルプーらしいとも言えるのだけれど)
いずれにしても、何度でも繰り返して聴きたくなるようなCDであることは、確かだ。
中古で、税込み880円は安かった。
フルプライスでもお薦めしたいCDである。
2005年08月28日
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