昨日購入したCDの感想を。
まず、『グローヴズ卿の音楽箱2』と題されたCD<デンオン・レーベル>から聴く。
その名の通り、イギリスの指揮者、サー・チャールズ・グローヴズがフィルハーモニア管弦楽団を指揮したCDで、エルガーの『威風堂々』第1番や『愛のあいさつ』、ヴォーン=ウィリアムズの『グリーンスリーヴズによる幻想曲』が収められた同じシリーズの第1集とともに編集された廉価盤は発売されているものの、オリジナルの形では、この初出時のCDでしか出ていないはずである。
さて、『グローヴズ卿の音楽箱2』は、僕がクラシック音楽を聴き始めた25年ほど前(ということはLP末期)なら、ファミリー名曲集といった体裁でしばしば発売されていたような、いわゆる「通俗名曲小品」が盛り沢山に集められたCDだ。
中でも、エロルドの『ザンパ』序曲におけるグローヴズのドラマティックな音楽づくりや、ワルトトイフェルのスケーターズ・ワルツとワルツ『女学生』の上品な仕上がり、速いテンポで押し切ったベートーヴェンの『トルコ行進曲』、ロマンティックなオッフェンバックの『ホフマンの舟歌』、黒澤明作品の音楽風なイッポリトフ=イワーノフの『酋長の行列』が印象に残る。
また、モーツァルトのドイツ舞曲やマリ−の『金婚式』の総奏部分が、まるでヘンデルやパーセルの作品の大管弦楽編曲版のように聴こえてしまったのは、面白かった。
他にも、アイレンベルクの『森の水車』に、シューベルトの軍隊行進曲、ルロイ・アンダソンの『ラッパ吹きの休日』、『プリンク・プレンク・プランク!』、『ワルツィング・キャット』、『トランペット吹きの子守歌』、ピエルネの『鉛の兵隊の行進曲』、イェッセルの『おもちゃの兵隊の行進曲』(キユーピー3分クッキングのテーマ)、ネッケの『クシコス・ポスト』(運動会でおなじみ)、ハチャトゥリアンの『剣の舞』などが収録されていて、全曲聴き飽きることがない。
フィルハーモニア管弦楽団には、ほんの少し粗さを感じる箇所がないでもないが、もともと達者なオーケストラだし、それより何より、グローヴズ卿といっしょになって演奏を楽しんでいる様子がうかがわれるのが嬉しい。
ネームバリューにとらわれない、真っ当な音楽好きには、ぜひともお薦めしたい1枚だ。
(第1集のほうも、何とかして手に入れたいと思う)
2005年07月28日
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僕も今日、出先からの帰り道、たまたま寄ってみたぶ○くおふで清水靖晃のバッハ・ボックスを見つけ買いました。バッハに詳しければもちっと楽しめるんでしょうけれど。orz
ところで、昨日の『どっこい生きている』、というのはド根性がえるですか?(w)
>ぶ○くおふで清水靖晃の…
確かに、もともとのバッハの曲を知っていれば、比較したりして楽しむことができるかもしれませんね。
でも、逆にバッハの原曲を知らないからこそ、新鮮な響きとして楽しむことができるかもしれませんよ。
>『どっこい生きている』
ド根性がえるの歌も覚えていますが、昨日のタイトルは、今井正の古い映画のタイトルから頂戴しました。
古過ぎましたね…。