『純情無頼 小説阪東妻三郎』を読了する。
いやあ、面白かった。
バンツマという空前絶後の大スターの真情と魅力が、数多くの証言やエピソード(伝説)を交えながら浮き彫りにされていてあますところがないのだから。
(謎は謎のままで置かれているとはいえ)
また、バンツマの長男である田村高広と作者の高橋治の強い信頼関係には、ある種のうらやましさを感じてしまった。
映画好きばかりではなく、役者を目指している人たちにもぜひともお薦めしたい一冊だ。
(ただ、『無法松の一生』の戦時中の検閲=大幅なカットに関しては、確かに検閲した側こそが一番に問われるべきなのだろうけれど、その経過については、それほど単純なものではないようだ。この点については、監督の稲垣浩の回想を引用しながら記された、小林信彦『一少年の観た<聖戦>』<ちくま文庫>から、「「無法松の一生」の皮肉な運命」が詳しい)
ああ、バンツマの映画が観たくなった!
余談だけれど、『剣客商売』の秋山小兵衛は、藤田まことではなく、田村高広のほうがぴったりくると思ったんだけどなあ。
あまりにも、渋すぎる?
で、岩城宏之の『オーケストラの職人たち』<文春文庫>を読み始めた。
2005年02月19日
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だからドラマは見てません。
小説の登場人物に役者を当てはめるのは難しいですね。
人それぞれイメージがありますしね。
確かに、そうですね。
藤田さん自体が嫌いな訳じゃないですが、あまりにもイメージが違いすぎるというか。
>小説の登場人物に…
空想の世界では、楽しいことなのですが…。
藤田まことは好きな俳優です(「はぐれ刑事」はそれで見ました)
ドラマはそれなりにいい感じだと思いますが
原作とは別に見るべきでしょうね
「レディ・ジョーカー」の物井は渡哲也でなく高品格だと言う人がいて、
膝を打ちました
藤田さんは、僕自身嫌いな役者さんではないのですが、やはり秋山小兵衛という感じがしないのですね。
てなもんやは、同時代的に知らないものの、藤田さんは「笑いの世界」の人という印象が強いもので。
(もちろん、シリアスな演技も忘れちゃなりませんが)
>高品格
おお!