2005年01月07日

漫才の思い出

 小学生の頃、ちょうど漫才ブームがやって来た。
 と言っても、昨今の漫才ブームとは当然違う。
 フジテレビ系列で放送されていた『花王名人劇場』が火をつけた、やすきよやらツービートやらB&Bやらが大活躍した、ずいぶん昔のブームのことである。
 で、ブラウン管の前の子どもたちが、そんなブームに乗らない訳がない。
 クラス中に、にわかツービートやにわかB&Bが濫立(あいにく、にわかやすこけいこやにわかいくよくるよは生まれなかったが)。
 とどのつまりは、学活(ホームルーム)の時間をつぶして、演芸会のようなものをやろうということになった。
 その頃から落語に親しんで、小さんは圓生におとるね、なんて知ったかぶりをかましていた僕は、何が漫才だい、しょせんは色物だろ、なんて失礼きわまりないことを内心呟いていたのだが、ブームというやつにはかなわない。
 なぜだか知らないが、クラスの男子の一人とコンビを組まされて、漫才をやらなければならないはめに陥ってしまったのである。
 はなからやる気のない人間ゆえ、スピード感あふれるしゃべくり漫才など、まわりのにわか連中に任せておけとばかり、非常に古風で、スローモーな漫才の真似をやってお茶を濁すことにした。
 もうほとんど忘れてしまったが、エンタツ・アチャコ、ダイマル・ラケット、トップ・ライト、三球・照代といった、大御所ベテランのネタを小学生なりに仕立て直し、最後は松鶴家千代若の「もう帰ろうよ」でしめたと思う。
 相手もたいして面白い人間ではないし、こりゃ絶対にうけるまいなと思っていたのだけれど、これが案に相違して爆笑の渦。
 結局、自然の家か何かの合宿で、学年全生徒の前で披露しなければならなくなったほどの大反響だった。
(たぶん、これが関西だったら、絶対こうはいかなかっただろうな、と今では思う)

 昨日、ワークショップで掛け合い漫才をやらされて、ふとそんなことを思い出した。 
 
posted by figarok492na at 01:34| Comment(3) | TrackBack(0) | プロフィールの補足 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
自分は高校の時に劇団四季の脚本家だったと思うのですが、その方が地元に来て高校生対象のワークショップを開いたので参加しました。
今思うと冷や汗物です。
そこで即興劇をやることになり、2年の先輩と組んでやったら大うけで。
掛け合い漫才みたいだと言われました。
褒め言葉だったと受け取っています(笑)。
Posted by risagasuokiku at 2005年01月07日 02:56
漫才ブーム以前の御大のネタは,ある程度普遍的なネタが多めでしょうから.逆にB&Bとかツービートなんかのネタに食傷気味の面子には受けたんじゃないでしょうかね?

・・・「恋のぼんちシート」,好きでしたねぇ.
Posted by say_say_say/ at 2005年01月07日 07:35
>risagasuokikuさんへ
 いつも、ありがとうございます。
 なるほど、それは得難い経験をされましたね。
 たぶん、妙に笑わせてやろうなどと思わなかったのではないですか?
 うけを狙うと、必要以上に緊張したりして、すべる確率が高くなるので(笑)。

>say_say_say/さんへ
 いつも、ありがとうございます。
 確かに、そうですね。
 他は、ただのギャグの真似っこだけが多かったような気がしますし。

 あの歌は、「アフタヌーンショー」を知らないと、何がなんだか、訳がわからないんじゃないでしょうか(笑)
Posted by figaro at 2005年01月07日 12:05
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