チャラリーララ、チャラリラリラー。
子どもの頃、うとうとしかけた冬の夜遅く、ラーメン屋の車のスピーカーから、このチャルメラ風の音がよく流れてきた。
昔の屋台は、当然本物のチャルメラを吹いていたらしいから、情緒という点ではだいぶん劣るものの、それでも、この自動車のスピーカーから流れてくるテープの音に、僕は心踊らされたものだ。
寝た子を起こす、という言葉がこれほどぴったりくるものも他にはなかっただろう。
だが、実際にラーメンを食べた記憶はほとんどない。
こんな夜中にそんなもの食べちゃ、というお決まりのフレーズが九割で、ほんのたまにだけ、これで我慢しておきなさい、のインスタントラーメンが出てくるだけだった。
そう言えば、一回だけ、休暇中の父が、この自動車屋台のラーメンを買ってきてくれたが、発泡スチロールの容器に入ったラーメンは、それなりに美味しい味がした。
京都に移ってだいぶん経つが、これまで住んだどの場所でも、このスピーカーから流れてくるチャルメラの音を聞いたことがない。
毎度おなじみチリ紙交換や、竿や竿だけ、何たら石油の雪やこんこ(これは冬期専門)のうるさい音なら何度も聞かされ続けているというのに、ラーメン屋のチャルメラの音だけが聞こえてこないのである。
住んだ場所が悪いのか。
それとも、京都には美味しいラーメン屋が多いので、車なんか走らせても、たいした儲けにならないと踏んで商売をしていないのか。
何れにしても、少々さみしいかぎりだ。
万一、あの音が流れてきたりしたら、もちろん急いで部屋を飛び出すつもりなんだけどなあ。
2004年12月14日
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そうですか〜京都にはチャルメラは来ないんですか・・・あれ?例示されてたのって皆食べ物や以外の音声ですね。石焼いも屋とか豆腐やとかは来るのでしょうか??
たけやーサオダケ、と焼き芋やさんだけ。
焼き芋屋さんに至っては「ビーーーー」というブザー音のようなうっさい音だったので、本物のチャルメラを聴いたことある方がうらやましいです★
コメント、ありがとうございました。
そうなんですよね。
得体が知れないからこそ、欲しくなってしまったりして(笑)。
石焼き芋屋さんは、めったに来ません。
豆腐屋さん(ぷー、とラッパを鳴らす)も、他所をまわってるみたいです。
>とうまあやこさんへ
いつも、ありがとうございます。
「ビ−−−−」はうるさそうですね。
何にしろそうですが、あんまりにもうるさいと、外に出ていきたくなくなります。
以前、音楽関係の企画で、チャルメラの生の音を聴いたことがありました。
(オーボエの仲間なんだそうですね)
私の実家のある旧清水市はチャルメラ(テープですが)をよく聞きます。特に夜の釣り人相手に商売をしているらしく、港の近くには毎日います。でもうちでは買ってもらったことがありません。実家の近くは他にも、お豆腐屋、焼き芋屋、ワラビ餅屋などたくさん来ます。でもどれも買ってくれません。
ずっと仲間はずれだったので、屋台のまわりの熱気の様なものは、いまだに私の憧れです。
そういえば小学生のころ、九州から来た(九州から静岡まで!)焼き芋屋さんに道案内をしたら、売れ残った焼き芋を1個くれました。すさまじくおいしかった記憶があります。
なるほど、夜釣りの人相手なら、ラーメンも売れるはずですからね。
それにしても、ああいう類いのものって、買ってはもらえないものなんですよね…。
九州から静岡までって、すごいですね!
うらやましい感じがします。
子どもの時に食べられいてたら、たいそうおいしく嬉しく感じたろうに、と思います。
残念です。
そうなんですよね。
子どもの頃に食べるのと、大人になって食べるのとでは、受ける印象が大きく違うんですよね。
もっと食べておきたかったです。
俺京都市にいるんですけど
チャルメラ来ますよ
でも不定期ですねぇ
コメント、ありがとうございます。
京都でも場所に寄ってはチャルメラが回って来てるみたいですね。
一度耳にしてみたいものです。