2004年11月23日

死者の家から

 作家を目指して奮闘努力の毎日だけど、きちんと作品として仕上がる「アイデア」は、ほんの一握り。
 あとは、アイデアの墓場へと埋葬されるばかりなりけり…。
 で、今回はそんな墓場に入ったアイデアの中の一つが、イエス・キリストよろしく復活を果たすのだった!

 *『十三夜、もしくはヴィオラ』。
 シェイクスピアの戯曲『十二夜』、そして『十二夜』を原作とするスメタナの未完のオペラ『ヴィオラ』を下敷きとした、一人称日記体の小説(もしくは、一人芝居)。
 「私」は、プラハ郊外の精神病院の男性患者。
 「私」は、自らを『十二夜』を演じている役者だと思い込んでいる。
(『十二夜』の登場人物マルヴォーリオ=暗い場所へ閉じ込められる、の台詞が引用される)
 その後、「私」は、自分が祖国の偉大な作曲家スメタナであり、『ヴィオラ』を作曲中であったと思い込む。
(スメタナの『我が祖国』なども絡んでくる)
 他に、カフカの一連の作品や、チャペックの一連の作品、さらにゴーゴリの『狂人日記』などと関連したエピソードが挿入されたりする。
 そして、最後に「私」が、「プラハの春」で民主化運動の先頭に立ったため、「佯狂」を余儀なくされた(そして、そうしているうちに、本当におかしくなってしまった)人物であるということが判明する。

 って、書いてて、「駄目だこりゃ」といかりや長さんの心境になってきた。
 だって、これじゃあミラン・クンデラの真似っこだもん。
 やっぱり、一度死んでしまったものは、安らかに眠らせておくのが一番!

posted by figarok492na at 02:04| Comment(4) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
近いうちに紹介する予定の<オトナ語の謎>の中から引用。
「素材を料理しようと思って煮詰めていったのですが、途中で煮詰まってしまいましていったん寝かせておきました。でも、結局焦げ付いてしまいました」

・・・寝かせておいてもよくなるとは限らないのが痛いところ。
Posted by say_say_say at 2004年11月23日 11:33
 いつも、ありがとうございます。
 ほんと、巧くいかないものです…。
Posted by figaro at 2004年11月23日 11:49
ほんと…。わたしも後回しにしていたら、どうにもこうにもダメになってしまうことがよくあります。
煮詰まりすぎて焦げ付く、まさにそんなカンジ。(笑)
ミラン・クンデラは全然しらないですが、そのダメになってしまった話のあらすじはおもしろそーだな、と思いました。

お互い巧く行くといいですね…!応援してます♪
Posted by とうまあやこ at 2004年11月23日 21:05
 いつも、ありがとうございます。
 そう言っていただけると、嬉しいかぎりですね(アイデアのほうも、草場のかげから這い出る勢いで喜んでいるはずです)。

 ほんと、お互い巧く行くといいですね。
 こちらも応援しています!
Posted by figaro at 2004年11月23日 22:02
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