井上陽水に、『傘がない』というダークな感じのする傑作があるが、僕ならば『傘がなければ困る』と歌い叫ぶだろう。
雨の日、曇りの日はもちろんのこと、晴れた日でも傘を持ち歩く。
折り畳み傘ではない、こうもり傘をだ。
こんな悪癖(?)が身についたのは、京都に移り住んでからである。
天気予報を確かめて、今日は京都は晴れだから、と傘を持たずに出掛けたところ、突然雨が降り出して、びしゃらばしゃらと濡れねずみになってしまったのだ。
それが、一度ばかりか二度三度。
羹に懲りてなますを吹く。
それ以来、晴れた日にもこうもり傘を持ち歩くようになったのだった。
それでも、最初のうちは手首にかけたり、傘の真ん中あたりを握って持ったりと、傘の扱い方には困っていたのだけれど、そのうちステッキ風の持ち方こそが一番具合がよいということに気づくにいたった。
そうなると、傘そのものにも気をつけるようになってくる。
どちらかと言えば、背が高いほうなので、できるだけ長い傘を選ぶことにしたのだ。
ドイツのケルンという街に6ヶ月ほど滞在することがあって、その時も当然長い傘をステッキ風に持ち歩いていたのだが、むこうの友人たちからは「イギリス紳士」「イギリスかぶれ」と茶化されていた。
その時は、あんたらイギリスかぶれて、と呆れ返ったけれど(むこうはむこうで呆れ返っていたはずだが)、今ではそれもいい思い出だ。
ここ数年は、東急ハンズで買った水色の細長いこうもり傘を愛用していたのだけれど、つい最近古本屋で本をさがしているうちに何者かに強奪されてしまった。
気の毒に思った店員さんから、新品のこうもり傘を譲ってもらったが、これが似ても似つかぬ中途半端な長さなのである。
これじゃあ、ステッキがわりにならんだろう!
(すでに、傘を持ち歩く意味が大きく転倒している!!)
仕方がないので、目ぼしいお店をさがしまわったものの、具合のいい傘を見つけることは出来なかった。
東急ハンズは京都にないし(神戸で買ったのだ、「先代」の傘は)。
まっ、しゃあないわ。
それで、今のところはちんちくりんな傘を手に、晴れた日も僕は京都を歩き回っている。
☆一度、傘を後生大事にしている男の話(おちは、傘が折れて男が死ぬというもの)を、E・T・A・ホフマン風の短編小説にまとめてみようかと思ったが、結局やめた。
途中から、何だか阿刀田高風になってしまったのだ…。
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「弁当忘れても 傘忘れるな」って言います。
北陸の陰鬱な空は
晴れていても 油断大敵。
あっという間に雲が広がって
雨が降り始めます。
冬には バリバリと鰤おこしという「冬の雷・いかずち」が 鳴り響いて空を切り裂き
雪が降り始めます。
傘は必需品です。
できれば 素敵な傘で憂鬱な天気に対抗したいものです。
で、マッキントッシュのコートを来て。
多少の雨なら
「霧雨じゃ、濡れて行こう」
・・・なんか違う(笑)。
安物は極端に短いし、気にいった長さのは値段もそこそこするし
もぐらも昔気にいった傘を忘れてしまい、すぐ取りに戻ったのですが
結局見つかりませんでした。
今思い返しても悔し〜い
でも傘が嫌いなので、多少の雨には濡れても良い完全防水のジャケットと靴、それに濡れても乾きやすい化繊で撥水性のあるパンツをはいてであるきます。
お店に入りにくいのと公共の場で他の人に迷惑かなと思いつつ。
モンゴルにいる時、雨が降っても傘をさしている人よりささずに歩いている人のほうが多かったです
季節にもよるのでしょうが、雨の中を穏やかな表情で歩いているモンゴルの人達の顔が印象的でした。
しかし昨日のナンチャンで、ん?違ったかなと思っていましたが、今日の“ステッキ風の傘”でまんざら外れてはいなかったようだ、と思う反面、figaroさん像はますます混迷してしまってます。
(@_@)
コメント、ありがとうございます。
金沢へは一度だけ行ったことがあります。
その時は、運よく晴れっぱなしでしたが。
また、遊びに来て下さい。
>say_say_say/さんへ
いつも、ありがとうございます。
イギリスで会った「紳士」曰く、傘は持ってても多少の雨では傘をささないのが紳士のたしなみ、とか。
そこまで、我慢はできませんねえ。
>もぐらさんへ
いつも、ありがとうございます。
そうなんです。
長い傘(いいもの)は高いんですよ!
当然のことながら。
傘を失った時の悔しさ。
ほんと、たまりませんよね。
いつも、ありがとうございます。
傘の持ち方には「ルール」がありますね。
他人の迷惑をまず考えないと。
(前後左右によく気をつけて!)
モンゴル、一度行ってみたいですね。
>miyavilogさんへ
いつも、ありがとうございます。
確かに、そこそこ身長は高いかも。
性格も含めてですが、友人には「『決められた枠の中』でドタバタをやっている」人間と、よく評されますね。
「石橋をたたいて渡らず」「石橋自体を壊す」とも言われます…。
あまり、お気になさらないように。
傘、気に入ったものを盗まれたり
置き忘れたりして
今はちょっと恥ずかしい某ライブグッズの
折り畳み傘を携帯しています
使用中あまり目撃されたくありません
長身に傘は絵になっていいですね
京都の町にも傘が似合う気がします
お気に入りの傘を失った後、100円ショップで買う傘の情けなさ。
濡れなきゃそれでいいじゃないか、という声も聞こえますが。
そこそこ長身ですが、似合っているかどうかは…。
ただ、京都と傘が悪い取り合わせでないことは、僕も感じます。
1000円傘を使ってた私は、高級傘をプレゼントに貰ってから、素敵な傘もあるんだなー、と知りました。
高級なものは、やっぱり手が出ませんね。
今は、ずっともらった傘で我慢しています。