スポーツの日。
世は四連休の二日目。
どんよりとしたお天気の一日。
雨も降る。
むしむしじめじめとして、快ならず。
皆さん、くれぐれもご自愛くださいね。
新型コロナウイルスにはお気をつけのほど。
熱中症にもお気をつけのほど。
体調、今一つ。
両耳の不調も続く。
安倍内閣が今日も続く。
厚顔無恥で因循姑息な無理無体無法無謀が今日も押し進められる。
いつまで続く泥濘ぞ。
本当に救い難い状況である。
馬鹿に付ける薬はない。
馬鹿を支える者こそ一番の馬鹿だ。
一番の馬鹿にはなるまい。
そのためにも、記憶力、読解力、判断力を一層鍛えていかなければ。
そして、目くらましの八百長猿芝居には絶対に騙されまい。
昨夜、OBCであいみょんのオールナイトニッポンを聴いたりしながら作業を進めたのち、1時40分過ぎに寝床に就く。
8時台に起きる。
午前中、YouTubeでジュゼッペ・シノーポリ指揮フィルハーモニア管弦楽団が演奏したシューベルトの交響曲第7番「未完成」とメンデルスゾーンの交響曲第4番「イタリア」、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルが演奏した、ヴァイオリンのアンネ・ゾフィー・ムターとチェロのアントニオ・メネセスの独奏によるブラームスのヴァイオリンとチェロのための2重協奏曲、悲劇的序曲を聴いたりしながら、仕事関係の作業を進めたり、『作道雄をめぐる冒険 もしくは剖見』を書き進めたりする。
午後、ABCラジオの『兵動大樹のほわ〜っとエエ感じ。』を聴いたりしながら、仕事関係の作業を進める。
お昼過ぎに外出し、夕飯用の買い物をすませて帰宅した。
途中、三条会商店街の古着屋さんに寄って、ご主人からしばらくお話をうかがう。
アルバイト先でお世話になっている方と繋がりのあるお店なのだ。
って、おっさん、古着買えよ!
帰宅後、YouTubeでアマデウス・カルテットが演奏したモーツァルトの弦楽4重奏曲第17番「狩り」とハイドンの弦楽4重奏曲第77番「皇帝」、ロリン・マゼール指揮ベルリン・フィルが演奏したラフマニノフの交響的舞曲、歌劇『アレコ』から間奏曲、ヴォカリーズを聴いたりしながら、仕事関係の作業を進めたり、『作道雄をめぐる冒険 もしくは剖見』を書き進めたり、佐藤亜紀の『黄金列車』<角川書店>と一ノ瀬俊也の『東條英機』<文春新書>を読み進めたりする。
夕飯後、YouTubeでソプラノのディアナ・ダムラウがマリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団他の伴奏で歌ったリヒャルト・シュトラウスの4つの最後の歌他、レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィルが演奏したモーツァルトの交響曲第25番と第29番、ペーター・シュミードルの独奏によるクラリネット協奏曲、交響曲第36番「リンツ」と第38番「プラハ」、ベートーヴェンのバレエ音楽『プロメテウスの創造物』序曲、劇音楽『エグモント』序曲、序曲『コリオラン』、劇音楽『シュテファン王』序曲を聴いたりしながら、仕事関係の作業を進めたり、『作道雄をめぐる冒険 もしくは剖見 その2』をアップしたりする。
佐藤亜紀の『黄金列車』<角川書店>を読了する。
いつもながら、佐藤さんの筆力と作品世界には圧倒される。
脱帽。
ああ、面白かった!!!
今日は、株式会社如水のチョコパウンドケーキを食す。
卸売ひろばタカギで、税込み21円だったもの。
ごちそうさま!
明日がいい日でありますように!
それじゃあ、おやすみなさい。
2020年07月24日
作道雄をめぐる冒険 もしくは剖見 その2
作道雄をめぐる冒険 もしくは剖見 その2
「ベートーベン、ピアノ協奏曲第3番、グレン・グールド、レナード・バーンステイン。ム……聴いたことないね。あんたは?」
(村上春樹『風の歌を聴け』<講談社文庫>より)
作道雄は変奏する
12のコントルダンスの第7曲、バレエ音楽『プロメテウスの創造物』の終曲、創作主題による15の変奏曲とフーガ、そして交響曲第3番「英雄」の終楽章。
今年生誕250年を迎えるベートーヴェンは、同一の主題を基にして、より規模の大きい、かつ充実した作品を生み出していった。
そんな楽聖と重ね合わせれば面はゆい想いをするかもしれないが、作道君もベートーヴェンと同様、過去の作品の主題を新しい作品に転用発展させる創作者の一人だ。
例えば、琵琶湖を舞台に、少年と謎の生物ビワッシーのひと夏の記憶を描いた作道君脚本、瀬木直貴監督の『マザーレイク』は、とある湖畔に建つ病院の男性患者が謎の生物と遭遇するという月面クロワッサンVol.4『夏の目撃者』(作道君作・演出/2012年6月)のバリエーションと断じてまず間違いはあるまい。
ステキブンゲイに連載公開されている『人生の満足度、測ります』もまた、作道君のかつての作品のモティーフを大きく受け継いだものとなっている。
国家によってひとりひとりの人生の満足度が管理され、満足度が低い国民には秘密裡に公務員が派遣される。
というその設定に、古くから作道君の作品に接してきた人たちの中には、KBS京都で放映された月面クロワッサンのテレビドラマ『ショート・ショウ』(2014年4月〜6月)の第1話「サティスファクション」を思い起こす人も少なくないのではないか。
ボブ・マーサムさん演じるいささか謎めいた男は、この第1話において、次のような言葉をある登場人物に投げかける。
人生の満足度を知りたくはないですか、と。
(ちなみに、この第1話にはあの吉岡里帆さんも出演していた)
メメントモリ 彼は村上春樹に憧れる
しかし、作道君にとってより重要な主題、肝となるべき部分はさらにその先に存在する。
それは、『人生の満足度、測ります』と『ショート・ショウ』双方に共通する、満足度があまりにも低くなった人間は自殺の可能性が非常に高いという設定であり、登場人物が別の登場人物の自殺を回避させるためその満足度を上げるべく努力するという展開である。
いや、この二作品だけではない。
前回少し触れた『どっちみち阪急河原町』の核となるのは、森麻子さん演じる女性の自殺を如何にして食い止めるかということだったし、月面クロワッサンのVol.1『バイバイセブンワンダー』では学校内での登場人物の自殺(実は他殺)が作中の謎を解く大きな鍵となっていた。
そして、月面クロワッサンのVol.3『望遠鏡ブルース』の冬篇では、今は亡い大切な人との幻想的な再会がリリカルに描かれた。
実は、前回引用した『望遠鏡ブルース』に対する感想を、僕は次のように続けている。
>単に対お客さんという理由からだけではなく、(村上春樹がそうであるように)作道君がかつて大切な誰かを失って、そのことを表現するためのバランスから笑いを重視しているというのであれば話しはまた別だが、もしそうでないのなら、過度な笑いの技・仕掛けはあえて封印してみせてもいいのではないだろうか。
封印してもなお、笑いの要素に満ちた作品が完成したのであれば、それこそ作道君が本当に創り上げたい劇世界だということになるはずだし<
なお、感想では明示していないけれど、ここで村上春樹の名を出しているのは、冬篇の展開に彼の『羊をめぐる冒険』のエコーを聴き取ったからである。
そういえば、KBS京都での『ノスタルジア』放映の先駆けとなる月面クロワッサンのwebドラマのタイトルは『虹をめぐる冒険』だった。
それと、新型コロナウイルスの非常事態宣言中の7日間ブックカバーチャレンジの一冊として作道君は村上春樹の『風の歌を聴け』を選び、「繰り返し読んでいる作品」、「僕にとって特別な小説」と記してもいた。
以降、月面クロワッサンの一連の作品はもとより、『マザーレイク』、自らメガホンをとった『神さまの轍-CHECKPOINT OF THE LIFE-』、大牟田市の「延命」動物園を舞台にした『いのちスケッチ』に到るまで様々に形を変えつつも、かけがえのない人の喪失、自殺(を止める)は、作道君の作品にとって切り離すことのできないモティーフであり、テーマである。
作道雄の核となり続けるもの
それでは、何ゆえそうしたモティーフ、テーマが作道君の作品の根幹部分となるのであろうか。
それこそ村上春樹がそうであるように、そこには作道君自身の個人的な体験が大きく関係している。
作道君は、早いうちにお父様を亡くしているのだ。
そのこととの関連で、「父親がいない環境で育ったため、自分と一定の年齢差がある男性との会話が少なく、関係の持ち方についても難しさを感じていた。ただ最近ではそれも徐々に埋まってきた」、といった趣旨の言葉を作道君本人の口から聴いたこともある。
その意味でも強く印象に残るのが、『人生の満足度、測ります』の「仕事のはなし episode3」(昭和生まれの広告代理店社員星乃孝明と自殺防止対策本部の由家)、彼の好意で読ませてもらった商業作品用の未発表のプロットで、作道君がそうした年長の男性と主人公との交流、意志の疎通を積極的に取り上げていることだ。
また、西村まさ彦さんの『西村のライブ2018 愛こそすべて』で作・演出にあたった一幕物の芝居『Sing with Me』では、年長の男性の視点を通して先述した主題が語られており、この間の作家としての研鑽とともに、作道君の精神面での変化を僕は感じたりもした。
そうそう、作道君といえば、常々三谷幸喜さんからの大きな影響を公言しているが、三谷さんも作道君と同様の体験を持った人でもある。
むろん、そうした共通の体験を即創作面での影響やシンパシーと結び付けることは安易に行うべきではないだろう。
が、しかし、成長過程における小さからぬ体験がもたらした性格性質、人間関係の在りようの類似性が、作品の内容や創作姿勢への親近感を一層強める原因となることもやはり否定はできまい。
(余談だけれど、三谷さんに大きな影響を受けた劇作家・演出家の一人で、笑の大学ならぬ、笑の内閣の高間響君も三谷さんや作道君と同じ体験の持ち主であることを僕は知っている)
いずれにしても、かつて意図的に封印するよう努めたこともある作道君だが、プロになってなお、いや、プロになったからなおさらのこと、かけがえのない人の喪失、自殺(を止める)、命の尊さといったモティーフやテーマは彼にとって当為のものであり続けるはずだ。
今後年齢を重ねる中で、そうしたモティーフやテーマがどのように変化し変容していくのか、僕はこれからも注視していきたい。
次回に続く
「ベートーベン、ピアノ協奏曲第3番、グレン・グールド、レナード・バーンステイン。ム……聴いたことないね。あんたは?」
(村上春樹『風の歌を聴け』<講談社文庫>より)
作道雄は変奏する
12のコントルダンスの第7曲、バレエ音楽『プロメテウスの創造物』の終曲、創作主題による15の変奏曲とフーガ、そして交響曲第3番「英雄」の終楽章。
今年生誕250年を迎えるベートーヴェンは、同一の主題を基にして、より規模の大きい、かつ充実した作品を生み出していった。
そんな楽聖と重ね合わせれば面はゆい想いをするかもしれないが、作道君もベートーヴェンと同様、過去の作品の主題を新しい作品に転用発展させる創作者の一人だ。
例えば、琵琶湖を舞台に、少年と謎の生物ビワッシーのひと夏の記憶を描いた作道君脚本、瀬木直貴監督の『マザーレイク』は、とある湖畔に建つ病院の男性患者が謎の生物と遭遇するという月面クロワッサンVol.4『夏の目撃者』(作道君作・演出/2012年6月)のバリエーションと断じてまず間違いはあるまい。
ステキブンゲイに連載公開されている『人生の満足度、測ります』もまた、作道君のかつての作品のモティーフを大きく受け継いだものとなっている。
国家によってひとりひとりの人生の満足度が管理され、満足度が低い国民には秘密裡に公務員が派遣される。
というその設定に、古くから作道君の作品に接してきた人たちの中には、KBS京都で放映された月面クロワッサンのテレビドラマ『ショート・ショウ』(2014年4月〜6月)の第1話「サティスファクション」を思い起こす人も少なくないのではないか。
ボブ・マーサムさん演じるいささか謎めいた男は、この第1話において、次のような言葉をある登場人物に投げかける。
人生の満足度を知りたくはないですか、と。
(ちなみに、この第1話にはあの吉岡里帆さんも出演していた)
メメントモリ 彼は村上春樹に憧れる
しかし、作道君にとってより重要な主題、肝となるべき部分はさらにその先に存在する。
それは、『人生の満足度、測ります』と『ショート・ショウ』双方に共通する、満足度があまりにも低くなった人間は自殺の可能性が非常に高いという設定であり、登場人物が別の登場人物の自殺を回避させるためその満足度を上げるべく努力するという展開である。
いや、この二作品だけではない。
前回少し触れた『どっちみち阪急河原町』の核となるのは、森麻子さん演じる女性の自殺を如何にして食い止めるかということだったし、月面クロワッサンのVol.1『バイバイセブンワンダー』では学校内での登場人物の自殺(実は他殺)が作中の謎を解く大きな鍵となっていた。
そして、月面クロワッサンのVol.3『望遠鏡ブルース』の冬篇では、今は亡い大切な人との幻想的な再会がリリカルに描かれた。
実は、前回引用した『望遠鏡ブルース』に対する感想を、僕は次のように続けている。
>単に対お客さんという理由からだけではなく、(村上春樹がそうであるように)作道君がかつて大切な誰かを失って、そのことを表現するためのバランスから笑いを重視しているというのであれば話しはまた別だが、もしそうでないのなら、過度な笑いの技・仕掛けはあえて封印してみせてもいいのではないだろうか。
封印してもなお、笑いの要素に満ちた作品が完成したのであれば、それこそ作道君が本当に創り上げたい劇世界だということになるはずだし<
なお、感想では明示していないけれど、ここで村上春樹の名を出しているのは、冬篇の展開に彼の『羊をめぐる冒険』のエコーを聴き取ったからである。
そういえば、KBS京都での『ノスタルジア』放映の先駆けとなる月面クロワッサンのwebドラマのタイトルは『虹をめぐる冒険』だった。
それと、新型コロナウイルスの非常事態宣言中の7日間ブックカバーチャレンジの一冊として作道君は村上春樹の『風の歌を聴け』を選び、「繰り返し読んでいる作品」、「僕にとって特別な小説」と記してもいた。
以降、月面クロワッサンの一連の作品はもとより、『マザーレイク』、自らメガホンをとった『神さまの轍-CHECKPOINT OF THE LIFE-』、大牟田市の「延命」動物園を舞台にした『いのちスケッチ』に到るまで様々に形を変えつつも、かけがえのない人の喪失、自殺(を止める)は、作道君の作品にとって切り離すことのできないモティーフであり、テーマである。
作道雄の核となり続けるもの
それでは、何ゆえそうしたモティーフ、テーマが作道君の作品の根幹部分となるのであろうか。
それこそ村上春樹がそうであるように、そこには作道君自身の個人的な体験が大きく関係している。
作道君は、早いうちにお父様を亡くしているのだ。
そのこととの関連で、「父親がいない環境で育ったため、自分と一定の年齢差がある男性との会話が少なく、関係の持ち方についても難しさを感じていた。ただ最近ではそれも徐々に埋まってきた」、といった趣旨の言葉を作道君本人の口から聴いたこともある。
その意味でも強く印象に残るのが、『人生の満足度、測ります』の「仕事のはなし episode3」(昭和生まれの広告代理店社員星乃孝明と自殺防止対策本部の由家)、彼の好意で読ませてもらった商業作品用の未発表のプロットで、作道君がそうした年長の男性と主人公との交流、意志の疎通を積極的に取り上げていることだ。
また、西村まさ彦さんの『西村のライブ2018 愛こそすべて』で作・演出にあたった一幕物の芝居『Sing with Me』では、年長の男性の視点を通して先述した主題が語られており、この間の作家としての研鑽とともに、作道君の精神面での変化を僕は感じたりもした。
そうそう、作道君といえば、常々三谷幸喜さんからの大きな影響を公言しているが、三谷さんも作道君と同様の体験を持った人でもある。
むろん、そうした共通の体験を即創作面での影響やシンパシーと結び付けることは安易に行うべきではないだろう。
が、しかし、成長過程における小さからぬ体験がもたらした性格性質、人間関係の在りようの類似性が、作品の内容や創作姿勢への親近感を一層強める原因となることもやはり否定はできまい。
(余談だけれど、三谷さんに大きな影響を受けた劇作家・演出家の一人で、笑の大学ならぬ、笑の内閣の高間響君も三谷さんや作道君と同じ体験の持ち主であることを僕は知っている)
いずれにしても、かつて意図的に封印するよう努めたこともある作道君だが、プロになってなお、いや、プロになったからなおさらのこと、かけがえのない人の喪失、自殺(を止める)、命の尊さといったモティーフやテーマは彼にとって当為のものであり続けるはずだ。
今後年齢を重ねる中で、そうしたモティーフやテーマがどのように変化し変容していくのか、僕はこれからも注視していきたい。
次回に続く