2019年05月21日

岩井俊二監督の『四月物語』と加藤典洋のこと(CLACLA日記)

 昨夜はずっと雨だったが、今日は晴天へ。
 いいお天気、いい青空となる。

 気温はそれなりに上昇。
 ほどよい感じだ。
 ただし、まもなく暑さがやって来そうだが。
 季節の変わり目、皆さんくれぐれもご自愛くださいね。


 体調、今一つ。
 両耳の不調も続く。


 文芸評論家の加藤典洋が亡くなった。71歳。
 『敗戦後論』など、数々の著書で知られる。
 深く、深く、深く黙禱。


 喜劇俳優の木村進も亡くなった。68歳。
 二代目博多淡海の息子として生まれ、吉本新喜劇に入団、若き座長として大活躍した。
 1987年に三代目博多淡海を襲名するも、その直後に病で倒れ、一線を退いた。
 深く、深く、深く、深く黙禱。


 安倍内閣が今日も続く。
 厚顔無恥で因循姑息な無理無体無法無謀が今日も押し進められる。
 いつまで続く泥濘ぞ。
 本当に救い難い状況である。


 丸山穂高が開き直っている。
 馬鹿に付ける薬はない。
 馬鹿を支える者こそ一番の馬鹿だ。
 一番の馬鹿にはなるまい。


 記憶力、読解力、判断力を一層鍛えていかなければ。
 そして、目くらましの八百長猿芝居には絶対に騙されまい。


 昨夜、YouTubeでユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団が演奏したサラサーテのツィゴイネルワイゼン、サン・サーンスのハバネラ&序奏とロンド・カプリチオーソ、ショーソンの詩曲(以上、ジノ・フランチェスカッティのヴァイオリン独奏)、チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」&バレエ音楽『くるみ割り人形』組曲、ウェーベルンの夏風の中で&管弦楽のための3つの小品を聴いたりしながら作業を進めたのち、3時過ぎに寝床に就く。


 10時に起きて洗濯をすませたのち、YouTubeでオーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団が演奏したラロのスペイン交響曲、ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番(以上、アイザック・スターンの独奏)、シェーンベルクの主題と変奏を聴いたりしながら、仕事関係の作業を進めたり、ササハラ組の連絡作業を行ったり、『ほそゆき』の二十二を書き終えてブログ等にアップしたりする。


 午後、YouTubeでオーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団他が演奏したマーラーの交響曲第1番「巨人」(花の章付き)、ベルクの歌劇『ルル』組曲を聴いたりしながら、仕事関係の作業を進めたり、ササハラ組の連絡作業を行ったり、アン・アプルボームの『鉄のカーテン』上<白水社>を読み進めたりする。


 GYAO!の無料配信で、岩井俊二監督の『四月物語』(1998年)を観る。
 北海道の旭川から東京へと引っ越して来た松たか子演じる大学新入生を主人公にした物語。
 正直、岩井監督の作品ってあんまり好んで観ることはないのだけれど、1時間とちょっとという尺もあって、映像的な美しさにほんわかとした物語(不穏さもときに垣間見えるとはいえ)、リリカルさ、楽屋落ち的な部分、いずれもほどよい感じで好感が持てた。
 それにしても、この20年、やはり時代はいろいろと変わったなと痛感する。
 そうそう、途中書店のシーンで、亡くなった加藤典洋編著の『村上春樹イエローページ』がちらと顔を出すんだった。
 調べてみたら、この時期、岩井監督と加藤さんは『広告批評』で対談をやっているが、この作品絡みのことか。
 あと、加藤繋がりでいえば、終盤、今は亡き加藤和彦が印象的な役回りを演じていた。


 夕方になって外出し、京都芸術センターで用件を片付け、夕飯用の買い物をすませて帰宅した。


 帰宅後、YouTubeでチャールズ・グローヴズ指揮ロイヤル・フィルが演奏したブリスの色彩交響曲&映画音楽『来るべき世界』組曲、パーヴォ・ベルグルンド指揮ボーンマス交響楽団が演奏した同じくブリスのバレエ音楽『ゴーバルズの奇跡』組曲を聴いたりしながら、仕事関係の作業を進めたり、ササハラ組の連絡作業を行ったり、『鉄のカーテン』上を読み進めたりする。


 夕飯後、仕事関係の予定をすませる。

 その後、YouTubeでダヴィッド・オイストラフとディミトリ・ミトロプーロス指揮ニューヨーク・フィルが演奏したショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番、ABCラジオの『よなよな…』を聴いたりしながら、仕事関係の作業を進めたり、ササハラ組の連絡作業を行ったり、『鉄のカーテン』上を読み進めたりする。


 今日は、甘いものは食さず。
 我慢我慢。


 明日がいい日でありますように!
 それじゃあ、おやすみなさい。
posted by figarok492na at 22:36| Comment(0) | CLACLA日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ほそゆきのパイロット版22

☆ほそゆきのパイロット版22


「開けてもええ」
「ええよ」
 という雪子の返事を待って詠美は障子を開けた。
 雪子は、詠美が誕生日にプレゼントした飛永梅太郎のイラスト入りの枕を頭にして、畳の上に寝転がっていた。
「何してんの」
「ぼおっと」
「また河童か」
 雪子が手にした絵葉書に詠美が突っ込みを入れる。
「うん」
「尻子玉抜かれんで、そんなんばっかり見てたら」
「やらしいなあ」
 雪子がくすっと笑う。
「はっ、何がやらしいねん。尻子玉やで」
「わかってるよ」
 と言ってまた笑うと、雪子は絵葉書に目を移す。
「ちょ、ちょっ」
「何い」
「何いやないよ、何してんの」
「ぼおっと」
「ほんま、殴ったろうか」
「堪忍堪忍、殴らんといて」
 雪子はわざとらしく応えてから、身体を起こした。
「で、何」
「これやこれ」
 詠美が右手を突き出した。
「ああ」
「ああて、他人事みたいに。なんやのんこれ」
 詠美の手にはチケットが二枚握られている。
「古屋さんがくれたの」
「古屋さんって、あのあぶらむしの彼女」
「あぶらむしの彼女はないよ」
「だって、あぶらむしの演出の彼女なんやろ」
「彼女やなくて、元カノ。でも、古屋さんは、あぶらむしやなくて、カマキリにそっくり」
「ゆっこちゃん、そういうとこほんまに辛辣やなあ」
「ほんまのことやから。あっ、古屋さんには言わへんよ。しゅっとした顔してはるねえってしか」
「そっちのほうがよっぽど失礼な気するわ」
「そっかな」
 と言って、雪子は寝転がろうとする。
「ちょ、待てえ」
「何い」
「何いて、なんでこれが私の机の上においてあんの」
「詠美ちゃん、お芝居観るの好きなんやろ」
「好きやけど、あぶらむしは外れって言うたやんか」
「言うたねえ」
「やったら、観に行くわけなんかないやん」
「詠美ちゃん」
 急に雪子が姿勢を正す。
「詠美ちゃんは、将来の日本を、いや世界を代表する表現者になりたい思うてるんやんね」
「そうや」
「それなら、今度のあぶらむしの公演が詠美ちゃんの表現活動にとって大きな刺激にならんともかぎらんのとちゃうのん。お姉さんはそう思うんやけどね」
「こういうときだけお姉さんて。そんなんでだまされると思うたら大間違いや」
「あかん」
「あかんよ」
「日本国民のマジョリティは、今の言葉で、はいわかりました、わたくし喜んで観に行かさせていただきます、って納得すると思うんやけど」
「何言うてんの」
「なあ、詠美ちゃん、お姉ちゃんもな、詠美ちゃんには悪い思うてんねんで。でもな、古屋さんがどうしても、どうしてもってお姉ちゃんに言うてきはんねん。そこまで言われて知らん顔もでけへんやろ。やけど、お姉ちゃん、どうしてもあぶらむしは観に行かれへんねん。あぶらむしも南京虫もごきぶりも大嫌いやろ。そやから、お姉ちゃんを助けると思うて。詠美ちゃん、こんな弱いお姉ちゃんを堪忍してな」
 雪子は小刻みに震えながら、両手で顔を隠した。隠したとたん、身体の震えが大きくなった。
「なめとんか、ええかげんにしいよし」
「ああ、おかしい」
「おかしいのは、ゆっこちゃんの頭ん中身や」
「日本国民のマジョリティは、涙流して、はいわかりました、わたくし喜んで観に行かさせていただきます、って納得すると思うんやけど」
「行くか、ぼけ」
「しゃあないな、やったらそれほかしといて」
「ほかす」
「誰も観に行かへんのやったら、ほかすしかないやん。プチ断捨離」
「これ、当精やないやん」
「当精て」
「当日精算券」
「ああ。ヨーロッパ行ったばっかりでお金ないって断ったら、チケットあげるから観に来て、集客に苦労してるからって、古屋さんが押し付けてきたん。あんだけ断ってんのに、押し付けてくるんやもん。しつこい人はほんま苦手や」
「ゆっこちゃん、そのこと古屋さんには」
「そんな失礼なこと言わへんよ」
「あんた、ほんまに、ほんま」
「何い」
「内弁慶やなあ」
「くろうかけます」
 雪子は会心の笑みを浮かべると、再び寝転がった。
posted by figarok492na at 11:57| Comment(0) | 創作に関して | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする