2017年08月10日

ネットでオーケストラの動画を存分に愉しむ(CLACLA日記)

 青空は見えつつも、どんよりとした感じも強し。
 夕方になって雨も降る。

 気温は今日も上昇し、暑さがとても厳しい。
 皆さん、くれぐれもご自愛くださいね。


 体調、今一つ。
 そして、両耳の不調も続く。


 国会の閉会中審査が開かれたが、安倍首相も稲田元防衛相も出席せず。
 しかも、閣僚等から繰り返されるのは寝腐れた言葉ばかり。
 丁寧もへったくれもありゃしない。
 自己防衛、欺瞞傲慢、ここに極まれりだ。
 目先鼻先口先舌先の徒は度し難い。


 目くらましの八百長猿芝居には絶対に騙されまい。


 昨夜、『ほそゆき』を書き進めたり、作業を進めたりしたのち、3時半過ぎに寝床に就く。
 途中、PCにちょっとした不具合が生じ、その復旧にしばらくとまどる。
 やれやれ。


 9時半に起きる。

 vimeoにアップされたマリオ・ヴェンツァゴ指揮エーテボリ交響楽団が演奏したベートーヴェンの交響曲第2番とブラームスのセレナード第2番(2017年3月23日、エーテボリ・コンサートホール)を聴いたりしながら、仕事関係の作業を進めたり、『ほそゆき』を書き進めたりする。


 川本三郎の『物語の向こうに時代が見える』<春秋社>を読了し、浅田次郎の『帰郷』<集英社>を読み始める。


 午後、デトロイト交響楽団のサイトにアップされたレナード・スラットキン指揮デトロイト交響楽団が演奏したラヴェルの序曲『シェエラザード』、歌曲集『シェエラザード』と2つのヘブライの歌(メゾソプラノのイザベル・ドリュエの独唱。2015年4月17日、デトロイト・オーケストラホール)を聴く。

 続けて、NHK・FMの『特集ヨーロッパ夏の音楽祭2017』で、フィンランドのミッケリ音楽祭におけるヴァレリー・ゲルギエフ指揮サンクト・ペテルブルク・マリンスキー劇場管弦楽団のコンサートのライヴ録音(2017年7月6日、ミッケリ・マルッティ・タルヴェラホール)を聴く。
 チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番(アレクサンドル・トラーゼの独奏)と交響曲第6番「悲愴」が演奏されていた。

 さらに、マリアンヌ・クレバッサがマルク・ミンコフスキ指揮ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の伴奏で歌った『オー、ボーイ!』<WARNER>、デトロイト交響楽団のサイトにアップされたハンス・グラーフ指揮デトロイト交響楽団が演奏したプロコフィエフの古典交響曲(2015年10月16日、デトロイト・オーケストラホール)を聴く。


 仕事関係の作業を進めたり、『帰郷』を読み進めたりする。
 ほかに、殿山泰司の『JAMJAM日記』<ちくま文庫>の拾い読みもした。


 夕方になって外出し、夕飯用の買い物をすませる。


 帰宅後、ペーター・ダムとルドルフ・ケンペ指揮シュターツカペレ・ドレスデンが演奏したリヒャルト・シュトラウスのホルン協奏曲第1番&第2番<同>、デトロイト交響楽団のサイトにアップされたレナード・スラットキン指揮デトロイト交響楽団が演奏したモーツァルトの『魔笛』序曲(2015年4月25日、同)とベートーヴェンの『プロメテウスの創造物』序曲(2016年12月11日、同)を聴いたりしながら、雑件を片付ける。


 途中夕飯を挟み、NHK・FMの『ルビンシュタイン変奏曲』を聴く。

 続けて、BR(バイエルン放送)のサイトにアップされたヘルベルト・ブロムシュテット指揮バイエルン放送交響楽団が演奏したベートーヴェンの交響曲第4番とニールセンの交響曲第5番(2015年6月12日、ミュンヘン・ヘラクレスザール)を聴く。
 YouTubeをはじめ、公式アカウントがアップした動画だけでも相当な数になる。
 手元にCDがない曲も存分に愉しめて、嬉しいかぎりである。


 夕飯後、仕事関係の作業を進めたり、『帰郷』を読み進めたりする。


 今日も、甘いものは食さず。
 我慢我慢。


 明日がいい日でありますように!
 それじゃあ、おやすみなさい。
posted by figarok492na at 22:48| Comment(0) | CLACLA日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ほそゆき』パイロット版3

☆『ほそゆき』パイロット版3





 速足の詠美のあとを三歩ほど遅れて雪子が歩く。
 あれから平原にしつこく付け回されて、なんとか家まで帰り着いたことを雪子はタクシーの中で詠美に詳しく説明した。それは災難やったねと口では言うものの、詠美は頬を軽く膨らませたままだった。
 支払いを雪子に任せると、詠美はタクシーを降りて黙って歩き始めた。輪ゴムでまとめた詠美の後ろ髪がゆらゆらと左右に揺れているのを目にして、雪子は思わず微笑んだ。
「何わろてんの」
 振り向きざまに詠美が言った。
「詠美ちゃん、ポニーテールやなあ」
「はっ」
 と声を上げただけで、詠美は再び前を向いた。
「あっ、あそこや」
 詠美が指差した先には、けっこうな人だかりが出来ていた。
「わっちゃあ、混んでんなあ」
「流石はとびうめ」
 詠美と肩を並べた雪子が応じた。
「はよ行かな」
「うん」
 と頷くと、雪子は詠美につられて駆け出した。
 ちょうど六角と蛸薬師の真ん中辺り、寺町通りに面したアニメワンダーワールドという書店とグッズショップを兼ねた三階建てのビルが雪子と詠美の目指す場所であった。五時からここで、テレビアニメの『とびうお梅太郎』、通称とびうめのイベントが開催されるのである。いわゆるオタクの雪子はとびうめにどっぷりとはまっていたのだが、一人でイベントに参加するのはどうにも気が重い。それで雪子は、オタクとまでは言わないけれどアニメにも十分理解のある妹の詠美を誘ったのだ。
「そんなこと聞いてないよお」
 甲高い女性の声が轟いた。
 とびうめファンと思しき人たちが集結していること自体に間違いはなさそうなものの、どうも様子がおかしい。詠美と雪子が人だかりの中を覗くと、ハンプティダンプティか京都のご当地キャラクターのまゆまろの頭に三つ編みのウイッグをちょこんとのっけたような身体つきをした女性が両手を大きく振り回しながら、オレンジ色の制服を着たアニメワンダーワールドの社員の男性に向かって激しく捲し立てていた。レモン地のTシャツの背中に緑でプリントされたとびうめのマスコットキャラ、波乗りイルカが膨れ上がってまるで鯱か鯨のように見える。
「誠に申し訳ございませんが、本日のサイン会に関しては、当店の商品をお買い上げの際にお渡しするイベント参加券をお持ちいただく必要がござ」
「だから、私は知らなかったんだよお」
「知らないと申されましても」
「いい、私は純君にサインしてもらうために東京からやって来たの。ほら、この入鹿っちのフィギュア見て、私とびうめの大ファンなんだよお」
 女性がぼろぼろの手提げカバンの中から、主人公飛永梅太郎のライバルである曽我部入鹿のフィギュアを取り出した。
「あの、それはどちらのお店で」
「どこだっていいじゃない、入鹿っちは入鹿っちなんだから。これがお見合い三連発だとかまたたびにゃんごろうのフィギュアだったら、私だってそんなの絶対だめだよおって怒っちゃうとこだけどねえ」
「いや、ですから本日のイベントは」
「もお、これだけ言ってもわかってくれないのお、三階チーフのあらがき君は」
 女性は男性のネームプレートに目を走らせていたらしい。
「あの、わたくしにいがきと」
「そんなことはどうだっていいのよお。いや、にいがき君にとっちゃよくないことだろうけど、今はいいのよお。ねえ、お願い。純君のサイン会に私も並ばせてよお」
「ですからそれは」
「ここまで言ってもわかんないならもういい」
 そう言うと、女性は手提げカバンの中から銀色の小さな何かを取り出して頭上にかざした。それまで彼女を取り囲むようにしていた人々が瞬時にその場を離れる。一方で、通りがかりの観光客らが彼女にデジカメやスマホを向け始めた。
「マジカルラジカルテクニカル、マジカルラジカルテクニカル、お前の頭に革命よ起きろお」
 それは、『魔法少女人生革命ミズホ』でヒロインのマホロバミズホが唱える人生革命の呪文だった。
「いったあ、あんなんおるから。なあ」
 詠美はそう話しかけたが、雪子は黙って女性のことを凝視したままだ。
 と、二人の警察官が三条のほうからやって来て、雪子らとびうめファンや野次馬連中の間に分け入った。一人は五十年輩の穏和な顔付きで、はい、どうもなどと周囲に声をかけ、もう一人は如何にも警察官なり立てといった感じの体育会系男子で、トランシーバーに向かって状況を説明している。
「どうしたの、うん」
 ベテランの警察官がどちらを見るともなく尋ねた。
「誠に申し訳ありません」
 深々と頭を下げるにいがき君に対して、いいからいいからという風に手を小さく上下に動かしたベテランの警察官が、
「どうしたの、一体」
と、今度は女性のほうを向いて尋ねた。
「だって、あらがき、じゃないにいがき君が何度言ってもわかってくれなくてえ。私、純君のお」
「純君というのは」
「声優の入山純一郎さんです。まもなく当店でサイン会が行われる予定でして」
 すかさずにいがき君が答えた。
「あなた、その純君のファンなんだね」
「そうなんですう、私、純君の大大大ファンなんですう」
 といった女性の話を、うんうんと頷きながら聴き続けていた警察官が、
「あなた、だったら純君に迷惑かけちゃいけないよ」
と女性を諭した。
「えっ、私が純君に迷惑をかけてるう」
「そうだよ、ここで騒ぎを起こしちゃ、それこそ純君、彼が一番迷惑するよ。あなたも大ファンなんだから、それぐらいわかってあげなさいよ」
 警察官の言葉に、女性はひっと悲鳴を上げて、その場に泣き崩れた。
「ごめんなさあい、私、わからなかったあ。純君に迷惑かけてたなんて、私、ちっともわからなかったあ」
 どちらからともなく雪子と詠美が顔を見合わせたとき、しばらく前からビデオカメラで撮影を続けていた長身の白人の男性が、ヴンダバールヴンダヴェルトと感嘆の声を漏らした。
posted by figarok492na at 11:44| Comment(0) | 創作に関して | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする