2017年06月03日

誓願寺で百物語の館を愉しんだ(続きのCLACLA)

 18時頃外出し、ちょっとした用件を片付けてから新京極の誓願寺へ。
 The錦湯の常連さんが出演している、日本怪談研究と朗読公演の一座 百物語の館IN誓願寺を二階の講堂で愉しむ。
 畳敷きの二階の講堂といえば、今や懐かし谷口正晃監督の追加のワークショップが開催された場所でもあるが、この広い場所にお子さんから人生の先達まで幅広く大勢のお客さんが集まったのは何よりだった。
 二日連続公演の今夜は、平安京都の怪談によるプログラム。
 今昔物語集による『常行の伝説』と『屍の背に乗る男』、新御伽婢子による『生首と旅する男』、誓願寺が舞台の宿直草による『鬼の火あぶり』、誓願寺本山課長の長谷川晃雄住職と百物語の館元締である堤蛇彦先生によるトークイベントを挟んで、誓願寺と縁の深い和泉式部の話である御伽草子による『愁嘆の歌』の五篇が朗読されていた。
 読み手は女性四人。
 一番目の『常之の伝説』を読んだ高岡允巳さんは、高校時代放送部で朗読をやっていた人間には非常にすっと耳に入ってくる楷書の読み。
 強弱緩急も含めて非常に丁寧だ。
 『屍の背に乗る男』と『愁嘆の歌』を読んだ高杉詩香さんは、基本をきちんと押さえつつ、より劇性に富んだ読み手。
 会話の部分が堂に入っている。
 地の文の低めで澄んだ声(強いてあげれば、若い頃の新藤恵美にちょっと似ているか)も印象に残る。
 残る二篇の猫山絢子さん、黒川茜さんもそれぞれの個性がよく出た朗読を行っていた。
 また、トークイベントでは、誓願寺の縁起(春日大社との関係や、今日偲ぶ会が行われた和泉式部、江戸時代の策伝日快上人等)が語られるとともに、長谷川さんの茶目っ気が時折顔を出していたりもして愉しかった。
 ああ、面白かった!!

 終了後、買い物をすませて21時過ぎに帰宅する。


 NHK・FMの『クラシックの迷宮』(ロシア革命100年にちなんだ特集「ソビエト工業化と音楽」)を途中から聴いたのち、ファジル・サイが弾いたモーツァルトのピアノ・ソナタ全集の2枚目、第10番、第16番、第7番、第1番<WARNER>を聴く。
 よく澄んで軽やかなサイの演奏が実に魅力的だ。


 夕飯後、仕事関係の作業を進める。


 今日も、甘いものは食さず。
 我慢我慢。


 明日がいい日でありますように!
 それじゃあ、おやすみなさい。
posted by figarok492na at 22:46| Comment(0) | TrackBack(0) | CLACLA日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ジェフリー・テイトが亡くなった(早めのCLACLA)

 晴天。

 気温はそれほど上昇せず。
 過ごしやすい一日。


 両耳の不調が続く。


 イギリスの指揮者、ジェフリー・テイトが亡くなった。74歳。
 医学を学んだのち指揮者に転身、コンサート・オペラの両面で活動を始める。
 特に、イギリス室内管弦楽団の首席指揮者に就任したのちは、内田光子とのピアノ協奏曲全集<PHILIPS>や交響曲全集<EMI>等、モーツァルトの演奏で脚光を浴びた。
 その後、ロッテルダム・フィルの首席指揮者も務めたが、一時失速。
 最晩年は、ハンブルク交響楽団の首席指揮者の座にあった。
 1980年代から90年代初頭にかけて、イギリス室内管弦楽団やロッテルダム・フィルのほか、シュターツカペレ・ドレスデン、バイエルン放送交響楽団、ベルリン・フィル、ロンドン交響楽団などとの録音がEMIレーベルを中心に多数行われた。
 ちょうどクラシック音楽を聴き始めた頃、若手中堅として注目されていたイルジー・ビエロフラーヴェク、そしてテイトの死に、時の流れを痛感する。
 深く、深く、深く黙禱。


 例の「最後のお一人」をはじめ、安倍首相の嘘つきペテンには本当にうんざりする。
 もちろん、彼が傀儡であって、彼を首相の座から引き下ろすだけではなんの解決にも繋がらないことは十分承知しているのだけれど。
 そういえば、橋下徹の民間人枠での入閣がどうこうと報じられている。
 愚も愚、下も下な話。
 度し難い。


 またぞろ、北朝鮮がミサイルを発射するのではないか。
 相当際どい部分への。


 目くらましの八百長猿芝居には絶対に騙されまい。


 昨夜、YouTubeにアップされたジョルダーノ・ベリンカンピ指揮オークランド・フィルが演奏したブラームスの交響曲第2番、パヴェウ・カプウア(日本語表記がわからない)指揮ワルシャワ・フィルが演奏したリャードフの交響詩『魔法にかけられた湖』、三代目春風亭柳好が演じた『野ざらし』を聴いたりしながら作業を進めたり、川上弘美の『ぼくの死体をよろしくたのむ』<小学館>を読み進めたりしたのち、3時頃寝床に就く。


 8時50分過ぎに起きる。

 午前中、ABCラジオの『征平吉弥の土曜も全開!!』を聴いたりしながら、仕事関係の作業や『鶴丸文造の遍歴時代』の改稿作業を進めたり、『ぼくの死体をよろしくたのむ』を読み進めたりする。


 午後、テイトの死を悼んで、彼がイギリス室内管弦楽団を指揮して録音したリヒャルト・シュトラウスのメタモルフォーゼン<EMI>を聴く。

 しばらくして、HMVからこつこつためたポンタポイントを使って注文したファジル・サイが弾いたモーツァルトのピアノ・ソナタ全集<WARNER>とアントネッロ・マナコルダ指揮カンマーアカデミー・ポツダムが演奏したメンデルスゾーンの交響曲第3番「スコットランド」&第5番「宗教改革」<SONY/BMG>が届く。

 で、まずサイが弾いたソナタ全集から第11番「トルコ行進曲付き」&第9(8)番を聴く。
 トルコ行進曲付きは、サイの初期の録音のアルバムにも収められていたが、新録音ではよりジャジーというか即興性が増したように感じる。
 第9番ともども「攻めの姿勢」がよく出ているが、同じ攻めでもグレン・グールドのような「対峙」しているという感じではなく、大好きだから積極的にアプローチしているという趣の演奏だ。

 続けて、今度はメンデルスゾーンの交響曲を聴く。
 マナコルダと手兵カンマーアカデミー・ポツダムによる、第4番「イタリア」&第1番に続くメンデルスゾーンの交響曲全集の2枚目で、当然の如くピリオド・スタイルを援用した緩急強弱のメリハリがよく効いた歯切れのよい演奏。
 とともに、メンデルスゾーンの音楽の持つ躍動感や清澄さもよく表されている。
 宗教改革の第3楽章から第4楽章に移るあたりのフルート・ソロの美しさが、特に強く印象に残った。

 さらに、YouTubeにアップされた同じコンビによるメンデルスゾーンの序曲『フィンガルの洞窟』のライヴ動画を観聴きする。
 アムステルダム・コンセルトヘボウ大ホールでのコンサートでの録音録画で、ホルンやトランペットのピリオド楽器使用などが確認できる。
 ところで、マナコルダとカンマーアカデミー・ポツダムはメンデルスゾーンの序曲集を録音するのだろうか。
 交響曲全集の残る第2番は1枚1曲きりでリリースされる可能性が大なのだけれど。

 それから、五代目柳家小さんが演じた『時蕎麦』を聴く。


 仕事関係の作業を進める。


 『ぼくの死体をよろしくたのむ』を読了する。
 おかかなしさに満ちた一冊だった。
 ああ、面白かった!!

 ほかに、林光さんの『私の戦後音楽史』<平凡社ライブラリー>の拾い読みもした。


 まもなく外出の予定。
 誓願寺で行われる百物語の館なり。
 それじゃあ、行って来ます!
posted by figarok492na at 17:46| Comment(0) | TrackBack(0) | CLACLA日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする