午前中から午後にかけて雨。
その後止んで青空も見え始めたが、どんよりとした感じも強し。
気温は下がったか。
風が冷たい。
皆さん、くれぐれも風邪など召しませんように。
気圧と湿度のWパンチ。
加えて、両耳も不調。
やれやれ。
見え見え馬鹿丸出しのたぶらかしや、目くらましの八百長猿芝居が蔓延している。
こんなものに騙される人間こそ、一番の馬鹿者だ。
一番の馬鹿者にはなりたくないし、一番の馬鹿者とは親しくしたくない。
昨夜、24時半に寝床に就き、7時頃起きる。
午前中、ケヴィン・マロン指揮アレイディア・アンサンブルが演奏したヘンデルの水上の音楽全曲&王宮の花火の音楽<NAXOS>、エマーソン弦楽4重奏団が演奏したショスタコーヴィチの弦楽4重奏曲第1番〜第3番、第4番〜第6番<ドイツ・グラモフォン>を聴いたりしながら、仕事関係の作業を進めたり、『犬神家の末裔』の手直しを行ったり、今後の展開について考えたりする。
正午過ぎ、『犬神家の末裔』の第27回を投稿する。
午後、仕事関係の予定をすませる。
それから外出し、大切な予定をすませる。
夕飯用の買い物をすませたのち、17時半頃帰宅する。
帰宅後、エマーソン弦楽4重奏団が演奏したショスタコーヴィチの弦楽4重奏曲第7番〜第10番、第11番〜第13番他を聴いたりしながら、仕事関係の作業を進める。
途中夕飯を挟み、NHK・FMのベスト・オブ・クラシックで、ヴァイオリンの堀米ゆず子のコンサートのライヴ録音(2016年3月17日、白寿ホール)を聴く。
「バッハ ブラームス プロジェクト」と題されたシリーズの最終回で、ブラームスのホルン3重奏曲やヨハン・セバスティアン・バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番などが演奏されていた。
続けて、エマーソン弦楽4重奏団が演奏したショスタコーヴィチの弦楽4重奏曲第14番&第15番を聴く。
夕飯後、仕事関係の作業を進めたり、『絶筆』を読み進めたりする。
『絶筆』の野坂昭如の言葉に、自らの老いと死について考える。
今日は、バナナを食す。
ごちそうさま!
為したいこと、為すべきことをしっかり為していかなければ。
与えられた人生は一度限りなのだ。
明日がいい日でありますように!
それじゃあ、おやすみなさい。
2016年04月28日
犬神家の末裔 第27回
*犬神家の末裔 第27回
と、そのとたん、沙紀のスマホからクライスラーの愛の喜びが鳴り出した。
だが、沙紀は電話に出ようとしなかった。
すぐに愛の喜びは鳴り止んだ。
「出ないの」
「出なくていいの」
沙紀はそう言うと、再びスマホの液晶画面を早百合のほうに向けた。
着信履歴には、非通知着信、非通知着信、非通知着信の文字が並んでいた。
「えっ、それどういうこと」
「こういうことだぺ」
沙紀の眼から急に涙が零れ出した。
沙紀はスヌーピーのイラストがプリントされたハンカチで目頭を押さえると、すっきりした表情で夫の不倫について語り始めた。
相手は夫の職場の部下で、夫とは一回り半近くも下、沙紀が二番目の子供を妊娠中に付き合い始めた。
沙紀はそのことに全く気付いていなかったが、子供を出産してしばらくすると、急に非通知の無言電話がかかってくるようになった。
なんの気もなく、沙紀が変な電話がかかってくると口にしたとたん、夫は土下座をした。
「俺やっちまった、って言ったんだ」
沙紀は早百合にそう言った。
気の迷いだった、相手とは別れた、相手は松本が実家でそっちに移動になった、相手とはもう連絡もとっていない。
夫は土下座をしたまま、矢継ぎ早に口にしたそうだ。
そして、本当に本当にごめん、とキッチンの床におでこを擦りつけながら謝ったという。
「あの人の禿げかけたおでこが真っ赤になっててさ、もう笑うしかなかった」
そこで沙紀は、冷め切ったカプチーノを飲み干した。
「ほんとは別れようかとも思ったんだ。だけどさあ、子供も生まれたばっかりだし、そういうわけにもいかないからね」
それが二年前。
それ以来、月に一度、判で押したように決まって非通知の無言電話がかかってくる、と沙紀は続けた。
「ちっともずれてないんだよ。うらやましいわ」
沙紀は再び微妙な笑みを浮かべて、よくある話だぺ、と呟いた。
ジャコモを出た二人は、アーケード街の入口のところで別れた。
「書いてもいいよ」
別れ際、おばさんお大事にと言ってから、沙紀はそう続けたが、早百合には返す言葉がなかった。
そして、沙紀に尋ねたいことはいくつもあったが、早百合はどうしてもそうすることができなかった。
と、そのとたん、沙紀のスマホからクライスラーの愛の喜びが鳴り出した。
だが、沙紀は電話に出ようとしなかった。
すぐに愛の喜びは鳴り止んだ。
「出ないの」
「出なくていいの」
沙紀はそう言うと、再びスマホの液晶画面を早百合のほうに向けた。
着信履歴には、非通知着信、非通知着信、非通知着信の文字が並んでいた。
「えっ、それどういうこと」
「こういうことだぺ」
沙紀の眼から急に涙が零れ出した。
沙紀はスヌーピーのイラストがプリントされたハンカチで目頭を押さえると、すっきりした表情で夫の不倫について語り始めた。
相手は夫の職場の部下で、夫とは一回り半近くも下、沙紀が二番目の子供を妊娠中に付き合い始めた。
沙紀はそのことに全く気付いていなかったが、子供を出産してしばらくすると、急に非通知の無言電話がかかってくるようになった。
なんの気もなく、沙紀が変な電話がかかってくると口にしたとたん、夫は土下座をした。
「俺やっちまった、って言ったんだ」
沙紀は早百合にそう言った。
気の迷いだった、相手とは別れた、相手は松本が実家でそっちに移動になった、相手とはもう連絡もとっていない。
夫は土下座をしたまま、矢継ぎ早に口にしたそうだ。
そして、本当に本当にごめん、とキッチンの床におでこを擦りつけながら謝ったという。
「あの人の禿げかけたおでこが真っ赤になっててさ、もう笑うしかなかった」
そこで沙紀は、冷め切ったカプチーノを飲み干した。
「ほんとは別れようかとも思ったんだ。だけどさあ、子供も生まれたばっかりだし、そういうわけにもいかないからね」
それが二年前。
それ以来、月に一度、判で押したように決まって非通知の無言電話がかかってくる、と沙紀は続けた。
「ちっともずれてないんだよ。うらやましいわ」
沙紀は再び微妙な笑みを浮かべて、よくある話だぺ、と呟いた。
ジャコモを出た二人は、アーケード街の入口のところで別れた。
「書いてもいいよ」
別れ際、おばさんお大事にと言ってから、沙紀はそう続けたが、早百合には返す言葉がなかった。
そして、沙紀に尋ねたいことはいくつもあったが、早百合はどうしてもそうすることができなかった。