青空は見えつつも、どんよりとした感じが強し。
気温は思ったほどには上昇せず。
夕方になって、うっすらと肌寒さを感じた。
皆さん、くれぐれもご自愛くださいね。
黄砂禍か?
喉がちりちりとし、咳込みまである。
おまけに、両耳の不調も続く。
やれやれ。
衆議院補選。
京都3区は、民進党の泉健太候補が勝利した。
一方、北海道5区の結果や如何?
昨夜、1時過ぎに寝床に就き、8時に起きる。
午前中、NHKラジオ第1の『音楽の泉』(モーツァルトの特集)やNHK・FMの『名演奏ライブラリー』を聴いたりしながら、仕事関係の作業を進めたり、『犬神家の末裔』の下書き分の手直しをしたり、書き進めたりする。
『名演奏ライブラリー』は、ベルリン・フィルの首席奏者としてヘルベルト・フォン・カラヤンを支えたオーボエのローター・コッホの特集。
そのカラヤン指揮ベルリン・フィルとのリヒャルト・シュトラウスやモーツァルトのオーボエ協奏曲、ベルリン・フィル・ゾリステン・メンバーとのモーツァルトのオーボエ4重奏曲などが放送されていた。
午後、NHK・FMの『日曜喫茶室』(今回から、総集編に移行。村田兆治をゲストに迎え、村田さんとピアニストの神谷郁代がゲストの回のハイライトを放送していた)と『きらクラ!』、リカルド・シャイー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団が演奏したブラームスの交響曲第1番&第3番<DECCA>を聴いたりしながら、『犬神家の末裔』の下書き分を第23回として投稿したり、仕事関係の作業を進めたり、角田光代の『坂の途中の家』<朝日新聞出版>や網野善彦の『日本社会の歴史』(中)<岩波新書>を読み進めたりする。
夕方になって外出し、夕飯用の買い物をすませる。
帰宅後、シャイー指揮によるブラームスの交響曲第2番を聴いたりしながら、『坂の途中の家』を読み進めたり、雑件を片付けたりする。
途中夕飯を挟み、NHK・FMの『ブラボー!オーケストラ』を聴く。
ピアノの児玉桃、カリン・K・ナガノ(父はケント・ナガノ、母は桃の姉児玉麻里)と尾高忠明指揮東京フィルが演奏したモーツァルトの2台のピアノのための協奏曲、井上道義指揮東京フィルが演奏したモーツァルトの交響曲第33番のライヴ録音が放送されていた。
続けて、同じくNHK・FMの『リサイタル・ノヴァ』を聴く。
出演はソプラノの松井亜希他。
プーランクなどフランス歌曲を愉しむ。
松井さんの歌唱は、鈴木雅明指揮京都市交響楽団のモーツァルト・ツィクルスで実演に接してとても感心したことがあるが、こうして久しぶりに聴くことができて本当によかった。
てか、彼女の美しい歌声はやっぱり生で聴きたいなあ。
続けて、シャイー指揮によるブラームスの交響曲第4番、悲劇的序曲他を聴く。
夕飯後、仕事関係の作業を進める。
『坂の途中の家』を読了する。
いろいろと想うところや考えるところあり。
『日本社会の歴史』(中)も読了する。
原彬久の『戦後政治の証言者たち』<岩波書店>を読み始める。
今日も、甘いものは食さず。
我慢我慢。
明日がいい日でありますように!
それじゃあ、おやすみなさい。
2016年04月24日
犬神家の末裔 第23回
*犬神家の末裔 第23回
三菱銀行那須支店における田山兵三の一件と戌神家の事件の関係については、推理作家の熊倉徹が『日本の青い霧』中の一篇「戌神月子の毒薬と帝銀事件」で詳しく述べている。
熊倉氏は雑誌編集者を経て作家デビューを果たした人物で、タイトルからもわかる通り、デビュー作の『日本の青い霧』は、松本清張の『日本の黒い霧』から多大な影響を受けている。
ただ、熊倉氏の場合は、「櫟公爵夫妻の自動車転落事故死」や「フィルムは消えた」のように、自らの身近な人々に起こった事件を積極的に取り上げるなど、私小説的な要素が多分に含まれている点も興味深い。
実は、熊倉氏は小枝子の日本女子大の先輩にあたり、事件の発生前からすでに二人は面識があったという。
熊倉氏は、一九四七年十月十四日に起こったある事件から筆を起こす。
その日、閉店直後の安田銀行荏原支店に、厚生省技官、医学博士、厚生省予防局松井蔚の名刺を手にした男性が現われ、「赤痢菌の感染者が、午前中預金に訪れており、全ての行員と全ての金を消毒する必要がある」旨、告げる。
支店長は巡査を呼んで赤痢の発生の有無について尋ねたものの、巡査はそのことを知らず、警察署へと確認に向かう。
その間、男は帝銀事件と同様の手段で行員に薬液を飲ませたが、行員に死者は出なかった。
なお、松井蔚は実在する人物で名刺も本物だった。
いわゆる帝銀事件の予備的犯行とも目される安田銀行荏原支店事件だが、その手口は三菱銀行那須支店で試されようとしたものと非常に類似している。
そこで熊倉氏は、田山兵三を名乗った男性は、安田銀行荏原支店で松井蔚を名乗った男性同様、帝銀事件と密接に関係している人物であると断定する。
さらに熊倉氏は、この男性がなんらかの理由で戌神月子に接触し、結果として戌神恒猛や青柳達也、若槻修治殺害の際に使用されることとなる毒物を譲渡したのではなかったか、と筆を進めて行く。
熊倉氏のこの仮説には、早百合も納得させられるところが少なくなかった。
だから、適うことならばご本人に直接お話をうかがいたいと思っていたのだけれど、あいにく熊倉氏は昨年末より病気療養のため入院中である。
当然早百合は熊倉氏の著書を引用したいと考えていたが、可能な限り原資料にあたってみるのが物書きとしての礼儀だとも思い、今回の帰省を利用したのだった。
三菱銀行那須支店における田山兵三の一件と戌神家の事件の関係については、推理作家の熊倉徹が『日本の青い霧』中の一篇「戌神月子の毒薬と帝銀事件」で詳しく述べている。
熊倉氏は雑誌編集者を経て作家デビューを果たした人物で、タイトルからもわかる通り、デビュー作の『日本の青い霧』は、松本清張の『日本の黒い霧』から多大な影響を受けている。
ただ、熊倉氏の場合は、「櫟公爵夫妻の自動車転落事故死」や「フィルムは消えた」のように、自らの身近な人々に起こった事件を積極的に取り上げるなど、私小説的な要素が多分に含まれている点も興味深い。
実は、熊倉氏は小枝子の日本女子大の先輩にあたり、事件の発生前からすでに二人は面識があったという。
熊倉氏は、一九四七年十月十四日に起こったある事件から筆を起こす。
その日、閉店直後の安田銀行荏原支店に、厚生省技官、医学博士、厚生省予防局松井蔚の名刺を手にした男性が現われ、「赤痢菌の感染者が、午前中預金に訪れており、全ての行員と全ての金を消毒する必要がある」旨、告げる。
支店長は巡査を呼んで赤痢の発生の有無について尋ねたものの、巡査はそのことを知らず、警察署へと確認に向かう。
その間、男は帝銀事件と同様の手段で行員に薬液を飲ませたが、行員に死者は出なかった。
なお、松井蔚は実在する人物で名刺も本物だった。
いわゆる帝銀事件の予備的犯行とも目される安田銀行荏原支店事件だが、その手口は三菱銀行那須支店で試されようとしたものと非常に類似している。
そこで熊倉氏は、田山兵三を名乗った男性は、安田銀行荏原支店で松井蔚を名乗った男性同様、帝銀事件と密接に関係している人物であると断定する。
さらに熊倉氏は、この男性がなんらかの理由で戌神月子に接触し、結果として戌神恒猛や青柳達也、若槻修治殺害の際に使用されることとなる毒物を譲渡したのではなかったか、と筆を進めて行く。
熊倉氏のこの仮説には、早百合も納得させられるところが少なくなかった。
だから、適うことならばご本人に直接お話をうかがいたいと思っていたのだけれど、あいにく熊倉氏は昨年末より病気療養のため入院中である。
当然早百合は熊倉氏の著書を引用したいと考えていたが、可能な限り原資料にあたってみるのが物書きとしての礼儀だとも思い、今回の帰省を利用したのだった。