2016年04月19日

風邪を伝染されてしまったか(CLACLA日記)

 晴天。
 いいお天気、いい青空の一日。

 気温はそれほど上昇せず。
 季節の変わり目、皆さんくれぐれもご自愛くださいね。


 昨夜、隣に悪い咳をしている人がいて、ちょっと嫌な予感がしていると、帰宅後急に喉の調子がおかしくなる。
 そして、案の定腫れぼったくなっている。
 風邪を伝染されてしまったか。
 両耳の調子も相変わらず芳しくなく、なんだかなあの心境。
 やれやれ。


 熊本地震の被災者の方たちは、もっと大変な状況に置かれているだろう。
 車中泊によるエコノミー症候群で亡くなられた方もあるという。
 ああ、とため息を吐いているだけではどうにもなるまい。

 エクアドルでも大規模な地震が発生し、多くの方が犠牲となられている。
 深く、深く、深く、深く、深く黙祷。


 TPPの今国会での成立困難と。
 当然至極のこと。
 いろいろと考えることあり。


 元衆議院議員で元日本共産党の書記局長金子満広が亡くなった。91歳。
 上田耕一郎不破哲三の日本マルクス兄弟をはじめ、インテリ的な幹部が多い日本共産党の中では、珍しく(良い意味でも)叩き上げ臭のする政治家だった。
 深く、深く、深く、深く黙祷。


 昨夜19時少し前に外出して、いくつか用件を片付けたのち錦湯さんへ。
 27回目となるネオ落語・セントラルを愉しむ。
 詳しくは、前回の記事(ネオ落語記録)をご参照のほど。

 交流会に参加し、遅めの夕飯をすませて、1時過ぎに帰宅する。

 で、1時半過ぎに寝床に就き、8時少し前に起きる。


 ジョン・エリオット・ガーディナー指揮オルケストル・レヴォリュショネル・エ・ロマンティークが演奏したベートーヴェンの交響曲第4番<ARCHIV>を聴いたりしながら、ネオ落語記録を投稿したり、仕事関係の作業を進めたりする。


 正午近くに外出して、夕飯用の買い物をすませ、12時半過ぎに帰宅する。
 体調が崩れるかもしれないので、早めに買い物をすませておいたのだ。


 帰宅後、ABCラジオの『とことん全力投球!!妹尾和夫です』や、ガーディナー指揮によるベートーヴェンの交響曲第5番&第6番、第7番&第8番、第9番「合唱つき」を聴いたりしながら、仕事関係の作業を進めたり、『犬神家の末裔』の下書き分を第18回として投稿したり、さらに書き進めたりする。
 途中、20分〜30分ほど昼寝をした。


 金子薫の『鳥打ちも夜更けには』<河出書房新社>を読了する。
 好みの雰囲気の作品だった。


 NHK・FMの『ベスト・オブ・クラシック』で、ピエール・ブーレーズ指揮南西ドイツ放送交響楽団のコンサートのライヴ録音(2008年10月26日、ウィーン・コンツェルトハウス)を聴く。
 ファビアン・パニセッロの『アクサクス』、エンノ・ポッペの『古い建造物』、イザベル・ムンドリーの『私と汝』、ブーレーズ自身の『フィギュール・ドゥーブル・プリズム』など、ブーレーズが得意とする現代音楽が放送されていた。
(ブーレーズの作品の放送中、地震速報が入った)

 続けて、ピアノのエレーヌ・グリモーとバイエルン放送交響楽団室内管弦楽団他が演奏したモーツァルトのピアノ協奏曲第19番&第23番他<ドイツ・グラモフォン>と、スヴェトラ・プロティッチが弾いた同じくモーツァルトのピアノ・ソナタ第11番「トルコ行進曲つき」他<キング>を聴く。


 夕飯後、仕事関係の作業を進めたり、網野善彦の『日本社会の歴史』上<岩波新書>を読み始めたりする。


 今日は、甘いものは食さず。
 我慢我慢。


 明日がいい日でありますように!
 それじゃあ、おやすみなさい。
posted by figarok492na at 22:34| Comment(0) | TrackBack(0) | CLACLA日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

犬神家の末裔 第18回

*犬神家の末裔 第18回

「眠とうなったけん、あたしはもう寝るね」
 美穂子は大きなあくびをすると、来客用の寝室へと消えて行った。
 救急車の微かなサイレンの音が、早百合の耳に届く。
 早百合は風呂に入ることにした。
 いつもながら、大きな浴室だと思う。
 せせこましいユニットバスは苦手なので、浴室とトイレが別れたセパレートタイプのマンションには住んでいるものの、あそことここではあまりにも広さが違い過ぎる。
 それにしても、目の前に張り巡らされた鏡のなんと残酷なことだろう。
 鏡に映る自分の姿に、早百合は小さくため息を吐いた。
 四十を過ぎて急に増え始めた白髪、張りが減って小さな斑点が浮き始めた肌、徐々に前に膨らみ始めた下腹。
 これまで出来るだけ直視しないように努めてきた厳しい現実を一挙に突き付けられたような気がして、早百合はうんざりする。
 そして、母もまた入浴するたびに、自分自身の老いと向き合ってきたのだろうと思い、どうにもたまらない気持ちになった。
 早百合は小さく頭を振ると、くまなく全身を洗ってからたっぷりと湯をはった浴槽に身体を沈めた。
 思わず、はあという声が出る。
 昔の家の風呂はもっと小さかったなあ、と手足を大きく拡げながら早百合は思い出した。
 子供の頃はこうやって浴槽に浸かっているのが嫌で、すぐに出ようとしたものだ。
 にわとりがとんでった、って十回数えたら出てもいいよ。
 そんな早百合に優しく言ったのは、祖父だった。
 小学校の修学旅行で、にわとりがとんでったにわとりがとんでったと繰り返して、だるまさんがころんだじゃないの、と親友の沙紀ちゃんにからかわれたのがとても懐かしい。
 祖父は左の頬に大きな火傷の跡があった。
 それに、背中やお腹、太腿といたるところに小さな火傷や傷の跡があった。
 それ、どうしたの。
 という、幼い早百合の問いかけに、これはねえ、戦争で兵隊に行っていたとき、と祖父は言いかけて言葉を止めると、戦争なんかもう二度とやっちゃいけないんだ、どんな理由があったって戦争は人殺しなんだよ、と哀しそうな顔をして吐き出すように言った。
 戦争は人殺しなんだよ。
 祖父のあの言葉には絶対に嘘がなかった。
 祖父の想いは、幼いなりにも早百合にしっかりと伝わった。
 それなのに、祖父はあんなことをした。
 もう戦争は終わっていたというのに。
 そのことが、早百合にはどうしてもわからないのだ。
posted by figarok492na at 15:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 犬神家の末裔 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ネオ落語・セントラル 第27回

☆ネオ落語・セントラル 第27回

 出演:桂三幸さん、桂あおばさん、月亭太遊さん
 大喜利出演:合田団地君、広瀬信輔君、かど君(表記?)
(2016年4月18日20時開演/錦湯)


 どうやら毎週月曜の夜は寒くなるようで、昨夜も案の定気温が下がる。
 おまけに九州では地震の被害が続いているということもあって入りはどうかなと心配したが(お前は席亭か!)、27回目となるネオ落語・セントラルも20時前には徐々にお客さんが集まり始め、開演の三味の音が鳴る頃には結構な入りとなって重畳重畳。
 まずは、桂三幸さんと月亭太遊さんのトークから。
 大分と熊本の県境がご実家の太遊さんとしても、今回の地震は気が気でないところだろうけれど、そこはプロ。
 愛媛出身の三幸さんともども、しっかりと盛り上げつつ、募金の呼びかけも行っていた。

 で、トークは途中の挨拶のみで切り上げた桂あおばさんが高座へ。
 と、言うのも今回取り上げるネタ『東の旅』中の『七度狐』で準備に余念がなかったため。
 お伊勢さん参りに出かけた喜六清八の二人連れ。
 道中、知らぬ間にその地の狐に傷を負わせたのが悪かった。
 なんとこの狐、ひどい目に合わせるならば七度騙して返すという執念深い狐で…。
 というおなじみの噺だが、袴姿も凛々しいあおばさんは丁寧で細やかな掛け合いと、ここぞというところでの大きな動きでしっかり演じ上げていく。
 あとの大喜利で自らを「ざこば(師匠の)同好会」と口にするだけあって、お師匠さんへの愛情をくすぐりでも口跡でも感じさせつつ、あおばさん自身の陽性な人柄もよく表われていた。
 以前の『景清』もそうだったけれど、はめ物入り(いつもの香取光さんの三味線)の長尺の噺をこうやって聴くことができる、言葉を換えれば、あおばさんの研鑚にこうやって接することができるのも、ネオ落語・セントラルの大きな愉しみの一つだと実感した。

 続いては、三幸さん。
 自分のマンションで起こったちょっとかなわんなあという出来事を軽快にマクラでぼやいてみせてから、師匠文枝さん(三枝時代)の作品『合格祈願』を久しぶりに演じた。
 大学入試に失敗し浪人中の神社の息子。
 うちで祈願されては営業妨害とばかり、父親は息子を大阪の天満宮に参らせに行くが、この息子、どうにも出来が悪くって…。
 細かいくすぐりの中にも、ちょっとした知識が詰め込まれているあたりが文枝(三枝)さんらしい。
 三幸さんはそこに独自のアレンジを加えつつ、笑いの多い高座を生み出していた。
 「ホームグラウンド」に相応しい面白さ。

 トリは、先日頭を丸刈りにした太遊さんが登場する。
 和服姿で神妙玄妙な顔付きをしていると、歌舞伎の御曹司市川海老蔵ならぬ市川河豚蔵、怪談が得意な講釈師一龍齋貞水ならぬ一龍齋泥水、古典の得意な江戸の落語家春風亭一之輔ならぬ春風亭猪之輔といったおもむきすらある太遊さんだけれど、地震のことやSNSのことなどをマクラで語り、頭が軽くなったとヘヴィメタシャウトネタ『ドナドナ』を披露。
 続いて、新作ネタおろしの『明日へのバステト』へ。
 流浪のラッパー・アマリリクは慰問のために被災地熊本を訪れるが、地元のおばさんにそんなもんいらんとどやされて…。
 実は、この間ネタの中に度々熊本を組み込んできた太遊さんだけれど、今回登場するおばさんこそネオラクゴ・フロンティア初期におろされた『場末のバステト』のママ。
 ばってん荒川(皆さんご存じかな?)を彷彿とさせるママとアマリリクの掛け合いも面白いが、まずもってあの民謡『おてもやん』には笑うしかない。
 もちろん、らぷご(ラップ落語)の人太遊さんが無自覚に『おてもやん』を取り上げたわけではないことは言うまでもないだろう。
 「今」だからこそおろされるべき作品だった。

 定番の大喜利は、太遊さんの仕切りの下、三幸さん、あおばさんの落語家陣と、会場から挙手の合田団地君、広瀬信輔君、かど君(広島出身で、大学で笑い関係の同好会に所属と。その説明のところで、あおばさんの「ざこば同好会」の言葉が出た)が、作家の桜井さん、常連神龍さん作のお題に挑む。
 ちなみに桜井さんは久方ぶりにお手伝いで参加。
 あおばさん出演の回の大喜利では、あおばさんと太遊さんのコンビネーションと三幸さんの我が道を行く的な組み合わせがやはり見ものだ。
 昨夜も、そのやり取りが随所で光っていた。
 一方、大喜利飛び入り陣は、爪痕遺さでおくべきかの合田君、未来会議とは一味違ったキャラで勝負の広瀬君、天然自然流を狙うかど君と三者三様の構えだった。

 そして最後、21日に32歳の誕生日を迎える太遊さんの誕生日を祝って華々しく幕を〆た。

 と、今回も盛りだくさんのネオ落語・セントラルでした。
 来週太遊さんはお休みですが、盟友三河さんが出演の予定。
 皆さん、月曜20時は錦湯さんにぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 09:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする