2012年08月10日

蜘蛛巣城

☆蜘蛛巣城<1957年、東宝>

 監督:黒澤明
 原作:シェイクスピア『マクベス』より
 脚本:小国英雄、菊島隆三、橋本忍、黒澤明
(2012年8月10日、京都文化博物館フィルムシアター)


 ううん、今さら黒澤明の『蜘蛛巣城』の感想もないものだけれど…。

 シェイクスピアの『マクベス』を日本の戦国時代に移し変え、心の奥底にある疑心を妻に煽られて分不相応なむらっ気を起こし主君と友人を殺した武将が辿る悲劇を、静と動のコントラストをはっきりとつけながら描き切った作品。
 って、まとめてしまうと、なあんか面白くないんだよなあ。
 だって、この『蜘蛛巣城』って、表現が強い分、どこか邪劇臭がするんだもん。
 いや、それが言い過ぎなら、表現主義的な雰囲気、アヴァンギャルドな雰囲気がするって言い換えてもいいけど。
(そういや、『蜘蛛巣城』には佐々木孝丸も出演してるんだった。余談だけど、佐々木孝丸の娘は千秋実の夫人だから、義理の父子共演ってことになるんだよなあ。特撮物でおなじみ佐々木勝彦は千秋実の息子だから、佐々木孝丸の孫にあたるわけか)
 で、そういう部分がまた『蜘蛛巣城』の見どころでもあるんだよね。
 主人公の妻役の山田五十鈴の迫真の能面っぷり(いやな血だねえ!)、浪花千栄子のもののけ婆っぷり(なんだこいつの声は!)と特別出演、中村伸郎、宮口精二、木村功の幻の武者っぷり(なんだこいつらの声は!)、そして追い詰められた三船敏郎の狂いっぷり(アロウズが矢って来る 矢ァ!矢ァ!矢ァ!)。
 いずれにしても、何度観ても、ぞくぞくがくがくわくわくする一本だ。

 ところで、「黒澤明との素晴らしき日々」という副題のある土屋嘉男の『クロサワさーん!』<新潮文庫>の中に、『蜘蛛巣城』のエピソードが記されている。
 伝令役の俳優の演技が嘘っぽくて仕方がない、ついては俳優座の養成所の同期だからと推薦した責任をとって、代わりに演じてくれと突然現場に呼び出された土屋さん。
 伝令役の俳優の手前、一度は勘弁してくださいと断ったが、そこは「粘りのクロサワ」、根負けした土屋さんは代役を引き受けて…。
 あとは、『クロサワさーん!』の「殺意があった」という章をあたって欲しい。
 そして、このとき深い屈辱を味わっただろう伝令役が誰かもすぐにわかったのだけれど、その俳優さんが存命で、しかも大好きな人ということもあって記さないでおくことにする。
 強いてお知りになりたい方は、『蜘蛛巣城』の冒頭部分にご注意いただければと思う。
posted by figarok492na at 23:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

今日もストコフスキーを聴く(CLACLA日記)

 一応晴天なれど、どんよりとした感じも少なからず。
 明日は雨か。

 気温は今日も上昇し、暑さがとても厳しい。
 暑い暑い暑い暑い暑い。
 皆さん、くれぐれも熱中症にはお気をつけくださいね。


 昨夜、ナイナイのオールナイトニッポンを聴いたりしながら、4時頃まで仕事関係の作業を進める。


 近所のマンションでまたぞろ作業をやっている。
 かまびすしいかぎり。
 それにしても、いったい何をやっているのだ?


 KBS京都の『妹尾和夫のパラダイスkyoto』を途中まで聴く。


 そして、昨日に引き続き、レオポルド・ストコフスキーがCBSレーベルに遺したステレオ録音を集めたBOXセット、ストコフスキー/ザ・コロンビア・ステレオ・レコーディングスを聴く。
 なお、演奏は全てイギリスの録音専用オーケストラ、ナショナル・フィルである。

 まず、チャイコフスキーのバレエ音楽『オーロラ姫の結婚』。
 『眠りの森の美女』のいわゆるハイライト版で、シャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団<DECCA>のCDも手元にあるが、よりメリハリのきいた激しい演奏に仕上がっているように思う。

 続けて、メンデルスゾーンの交響曲第4番「イタリア」&ビゼーの交響曲。
 実は、ストコフスキーにとってラスト・レコーディングとなる一枚なのだけれど、そのことを全く意識させない若々しくて瑞々しい演奏だ。
 ナショナル・フィルも巧い。

 そして、おしまいはブラームスの交響曲第2番&悲劇的序曲。
 これまた若々しく瑞々しく、そしてブラームスの旋律の美しさがよく表わされた演奏で、とても感心した。
 悲劇的序曲も非常にドラマティックで、強く惹きつけられる。
(メンデルスゾーンとビゼーもそうだけど、残念なのは音質がもわっとした感じになっていること。よりクリアな録音であればなあ)

 いずれにしても、大いに満足のいったBOXセットで、これで2300円足らずとは、本当に申し訳ないかぎりだ。


 仕事関係の作業を進めたり、保坂和志の『カフカ式練習帳』<文藝春秋>を読み始めたりする。


 今日は、今から京都文化博物館のフィルムシアターまで行って、黒澤明監督の『蜘蛛巣城』を観る予定なり。
 それじゃあ、行って来ます!
posted by figarok492na at 17:41| Comment(0) | TrackBack(0) | CLACLA日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする