文章を読んで腹がよじれるほど笑うという経験をすることは、残念ながらほとんどない。
そんな中で、北杜夫の文章、いわゆる躁状態になって「どんがらがったんどんどんどん」とやりたい放題言いたい放題をやっているときの言動描写には、何度腹がよじれるほど笑わされたことか。
その北杜夫が亡くなった(84歳)。
北さんは斎藤茂吉の次男(兄は、斎藤茂太)であり、父や兄同様、医学を学ぶ傍ら文学の道を歩み始めた。
トーマス・マンの『ブッデンブローク家の人々』の影響のもと、自らの一族についてフィクション化してみせた『楡家の人びと』をはじめとする自伝的作品を生み出す一方、どくとるマンボウシリーズなどのエッセイや一連のユーモア小説(阪神タイガースの熱狂的ファンで、野球がらみの文章も少なくない)でも人気を得た。
上述した如く、躁鬱病であることを自らの作品で公表しており、テレビ番組でもその姿をオープンにしていたが、それは文学者・表現者としてだけではなく、精神科医でもあった彼の強い意志の表れであったと言えるだろう。
深く、深く、深く、深く、深く黙祷。
晴天。
気温がぐんと下がり、肌寒さを強く感じる一日となった。
皆さん、くれぐれも風邪にはお気をつけくださいね。
(左の鼻に鼻たけができて痛みがあり、左の耳の下=顎の奥にも鈍い痛みがある。風邪をひいてしまったか。やれやれ)
今日も夕方の買い物以外は外出せず、部屋で仕事関係や企画関係の作業を進めたり、リハビリのためのトレーニングをこなしたりする。
松下裕の『評伝中野重治』<筑摩書房>を読み進める。
ちょうど『斎藤茂吉ノート』のあたり(北杜夫のことも少し出てくる)を読んでいたときに、北さんの死を知り、その偶然に少し驚く。
ソプラノのパトリシア・プティボンがジョセプ・ポンス指揮スペイン国立管弦楽団のば伴奏で歌ったスペインのアリア&歌曲集『メランコリア』<ドイツ・グラモフォン>を聴く。
途中夕飯を挟み、NHK・FMで、アンドレ・プレヴィン指揮NHK交響楽団の定期公演の実況中継を聴く。
ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番(チェ・イェウンの独奏)、モーツァルトの交響曲第36番「リンツ」、リヒャルト・シュトラウスの『ばらの騎士』組曲が演奏されていた。
ゲストの諸石幸生が口にしていた「ウィーン・フィル」云々かんぬんは誉め過ぎだけれど、オーソドックスなぽってりとした響きのモーツァルトでありリヒャルト・シュトラウスではあったとは思う。
続けて、『メランコリア』を聴く。
夕飯後、仕事関係の作業を進めたり、『評伝中野重治』を読み進めたりする。
ついでに、『中野重治評論集』<平凡社ライブラリー>の拾い読みもした。
今日も、東京カリント株式会社(TOKARI)のジャージー牛乳ドーナツを食す。
ついに食べおさめなり。
なかなか美味しうございました。
ごちそうさま!
明日がいい日でありますように!
それじゃあ、おやすみなさい。